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地方創生に向けた官民連携、地域課題解決型研修プログラムがスタート ~初年度は静岡県伊東市において「若年人口の流出・減少」をテーマに実施します~

10月25日 新型コロナウイルス感染症に第6波は来るのか?現在は束の間の休息なのか、このまま第6波の影響を受けることなく、観光需要は回復軌道に乗るのか?先行き不透明な状況が続くなか、東急は今年1月からコロナ禍により利用者が減少する首都圏の通勤路線沿線(東急田園都市線)向けに、首都圏におけるMaaS事業の一環として「DENTO」を提供して来た。創業時から東京への通勤需要が経営の大前提だった同社は、昨今テレワークなどの進展によりビジネスモデルの変革を迫られている。2020年4月~6月のデータだが、東急電鉄の通勤定期券利用客数は、前年同月比26.7%減となり、7月~9月期は29.9%減と更に悪化した。沿線に観光地を持たない田園都市線にとって定期券の売上下落は死活問題だ。そのような台所事情を抱えた東急が始めたサービスが「DENTO」だ。同サービスは、通勤定期を「生活定期」に変える試みだ。利用者は「LINE」上で移動の動機を喚起するよう企画された、仕事をしながら通勤できる高速バスなど鉄道以外の交通手段、テレワークスペース、飲食・レジャー分野を対象としたサービスチケットを購入する。高速バス運賃は片道1000~2300円、通勤定期があれば100円引き。帰路は同じく通勤定期保有者限定で相乗りハイヤ―(8人乗りを4人で利用)を片道3980円で毎週水金のみ用意した。テレワークスペースは沿線に7箇所、1000円~/日。屋外施設やスポーツジムの一角にもワークスペースを設けた。飲食・レジャー分野では定期保有者限定で沿線の飲食店や商業施設、映画館などの割引クーポンを提供した。水曜と金曜には会社帰りに大井町駅周辺の飲食店の特別メニューと前述の都心から大井町駅までの相乗りハイヤーのセットもラインナップに加えた。食事後は大井町から有料座席指定サービス「Qシート」と組み合わせればアフター5を満喫できる。1/13(水)から4/28(水)までの実証期間において登録会員数2万人を目指した、本取り組の結果は、5/11に東急のニュースリリースで発表されている。実証実験の結果はLINEのお友だちが18,287名、会員は10,203名、チケット購入数は22,706枚だ。高速バスは復路の需要も確認できたものの、平均客席稼働率は1割弱。都心から横浜市青葉区内の自宅を結ぶ相乗りハイヤ―の利用総数は低迷した。発着エリアやサービス利用時間帯の拡大や認知度の向上に課題があった。一方、テレワークスペースは、たまプラーザ駅以西を中心に8拠点展開したところ、30-50代の男性を中心に利用があり、リピートユーザー率は50%と比較的高水準だった。カフェや商業施設内に新設した拠点では家族利用もあった。100円乗り放題チケット(東急線ワンデーパス、東急バス1日乗車券)による移動や施設利用は、購入者の48%が予定外の外出を行い、45%は東急グループの施設を利用している。交通割引による移動や消費促進効果が確認できたという。アクティブクーポンの利用も2000枚を超えた。利用者アンケートでは57%の利用者から定期券保有満足度が向上したとの回答を得た模様だ。報告書の結びに東急は「今回会員登録者の6割がサービスを利用せず、また総販売数の9割以上は100円チケットだったことから、今回提供したサービスへの支持には濃淡が見られる」との結論を出しているが、ポストコロナを見据えた郊外地区の「職・住・遊」をシームレスにつなぎ、移動(「生活定期」)を基点とした新たなサービス開発の感触を得たという側面も見逃すことは出来ない。利用の中心となった「100円チケット」は、日常の移動からポイントを得、利用者をインセンティブに繋ぐ「根拠」になったし、沿線施設(南町田グランベリーパーク、二子玉川ライズ、東急ストア、渋谷ヒカリエ、東急スクエア、たまプラーザテラスなど)の優待クーポンの利用者数の多さも、インセンティブの消費方向を示す参考となった。自由で豊かな東急沿線での働き方を実現すると謳ったサービス「DENTO」に、敢えて注文を付けるなら、第6波が来たときにも安心して利用し続けられる生活サービス開発をお願いしたいといったところか。

砂丘周辺で自動運転バス 鳥取市が来年2月実証実験 他

10月22日 鳥取市は2022年2月より、鳥取砂丘周辺において自動運転バスの実証実験を始める。実験期間は2週間を予定している。バスの運行ルートは、市内の鳥取砂丘会館~チュウブ鳥取砂丘こどもの国までの約2㎞となる。同市が令和2年3月に出した「【概要版】鳥取市生活交通創生ビジョン」によると、南部地域(河原、用瀬、佐治)、南東部地域(国府)のバス路線の再編や、乗合タクシーの導入に取組んできた。市内の公共交通の現状は、人口減少(H21:196,110人→R1:187,034人)や少子高齢化(令和12年の高齢化率は33.3%となる見込み)、自家用車の普及等を背景に利用者の減少に歯止めがかからず、更に運転者不足、運転者の高齢化を理由とするバス減便、路線縮小が続いており、今後さらに深刻化してゆくことが懸念される状況だ。モータリゼーションの進展により、バスの利用者は平成20年から平成30年までの間に13%減少した。令和12年には年間利用者数が250万人を下回ると予想されている。また市内の交通空白地域(バス路線がない地域、バス停や鉄道駅から半径400m外の地域)が存在する(平成27年度の国勢調査に基づく市全体の生活交通による人口カバー率は93.4%)。市民の足を支える生活交通(路線バスや地町村の有償運送、乗合タクシー、100円循環バス「くる梨」)の維持・確保に支出される補助金等は、平成30年で313,902千円となり増加傾向を示す。また、生活交通の担い手となる路線バスの運転手は平成21年度から令和元年までの10年間で20人(全体の10.0%)減少した。同時に運転手の高齢化も進む。タクシーについても、鳥取県東部地域全体では、平成24年度から平成30年度までの6年間に124人(28.8%)減少している。市が公共交通事業者に行ったヒアリング調査によると、令和2年から5~10年後までに路線縮小や廃止の可能性がある路線は、民間バス路線で5路線、加えて市や地域が主体となり運行している路線が2路線の計7路線となる。鳥取市はこのような公共交通の背景を踏まえ、10月19日に公共交通事業者や有識者などを招き、今後の計画などについて「令和3年度第1回鳥取市次世代モビリティ推進会議」を行った。会議では、①鳥取市地域交通の現状と課題について、②国内における自動運転サービスに関する取組状況について、③令和3年度における自動運転実証実験の計画案について、④鳥取市公共交通自動運転化ロードマップの策定方針になどについて話し合われた模様だ。実験は最大12人乗りのEV車両を用いて、5段階にレベル分けされた自動運転の機能のうち「レベル2」(運転手が同乗し、ハンドルから手を離した状態で自動走行、緊急時には手動で対応する)で行われる。市は事前に予約を受け付けた上で、市民・観光客などおよそ400人に無料で乗車体験をしてもらい、今後、市街地や山間地でも実験を行った上で、令和7年度には本格導入を目指すとしている。集客については同じく自動運転バスの実証を行う前橋市が、前回の実験で参加者が伸び悩んだため、募集場所を駅や市役所に登録窓口を設けるなどの工夫を講じていた。実証実験では、参加する市民の声が非常に重要となる。本計画には、WILLER(自動運転技術の提供)や日ノ丸自動車(鳥取市/運行)、日本交通(同/運行)などが参画する。モデル地域は本年度内に市街地や観光地、山間地に1ヶ所ずつ設定される模様だ。

令和3年度前橋版MaaSについて 他

10月21日 この10月から前橋市で、令和3年度「MaeMaaS(前橋版MaaS)」実証実験が始まった。本実証実験は国交省が取り組む「令和3年度日本版MaaS推進・支援事業対象地域」として、採択を受け令和4年3月31日まで実施される。前橋市内の交通再編の有効化を目的とし、市内の多様な交通モードを分かりやすく案内し、市民向けの「サービス」の提供を行うとともに、社会実装を見据えた検証を行う。今回の実証サービス内容としては、まずリアルタイムの経路検索提供(JRや上毛電鉄、市内路線バス、デマンドバス、シェアサイクル「コグベ(cogbe)」に対応)が挙がる。オープンデータが活用され、「MaeMaaS」のWebサービス上で乗りたいバスのリアルタイムの運行情報をスマホで(「MaeMaaS」はスマホ専用サービス)閲覧できるようになった。次に、これまで各アプリに分散していた市内3エリアを運行するデマンド交通(るんるんバス、ふるさとバス、城南あおぞら号)の予約機能が、Webサービス「MaeMaaS」上に集約され、使い勝手が良くなった。更に同Webサービス上で「デジタルフリーパス」の販売が出来るようになった。本実験では、対象となる市内交通が<1日乗り放題>となる。利用時は画面上のボタンをスワイプ(横にスライド)し、表示されるチケット画面をバスの運転手に提示するルールとした。そして最後はマイナンバーカードと交通系ICカードを紐づけることで、前橋市民限定の割引サービスが使えるようになる。*本割引サービスは「デジタルフリーパス」「デマンド交通」で利用可能となる。その他には新型コロナウイルス感染症への対策として㈱ドコモ・インサイトマーケティングの「モバイル空間統計」の閲覧が可能となり、目的地まで(国内全域)の混雑具合を確認し、移動時間をずらしたり混雑エリアを避けることで安心して移動できるようになった。昨年度の実験は登録者が1,000人と伸び悩んだため、前橋市*は今回、市役所と駅に登録窓口を設け、利用者を増やしたい意向だ。*実施主体は「前橋市新モビリティサービス推進協議会」。同市はこの他、群馬大などとつくる「前橋5G社会実装プロジェクト」で顔認証技術を使った自動運転バスへの手ぶら乗車(きっぷ・現金精算が不要となる)実験なども行っている。今回の実証ではこの技術はお目見えしないが、「MaeMaaS」の本サービス開始時に、顔認証技術の利用が可能になっていれば高齢者の利用にも弾みがつくものと思われる。

折り畳めるモビリティ「WHILL Model F」 価格・重量が半分に 他

10月20日 国土交通省のホームページにひっそりと「地域鉄道対策」とのページがある。冒頭には「地方鉄道やLRTなど、地域輸送を担う鉄道、軌道等の活性化を図るための業務を行って参ります」とある。地方鉄道とは新幹線、在来幹線、都市鉄道に該当しない、中小民鉄やJR、一部大手民鉄、中小民鉄及び旧国鉄の特定地方交通線や整備新幹線の並行在来線などを引き継いだ「第三セクター」のうち、中小民鉄と「第三セクター」を指す。令和3年4月現在、全国で95社、うち74社(約8割)は鉄軌道業の経常収支ベースで赤字だ。国としては「まず、沿線地域が地域の将来にとって、どのような交通機関や輸送サービスが必要かを議論、判断すべきだ。その結論に基づいて鉄道活性化に取り組むのであれば、地元自治体・地域が中心的な役割を担い、国がそれを支援する」との立場だ。2008年6月に開催された「交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会」は、今後の少子高齢化を迎える中、地方鉄道には「バスや福祉タクシー等地域の様々な交通手段と連携しながら」高齢者の移動、駅の拠点性を活かし、地域の形成や発展に寄与、地域活性化に極めて大きく貢献するよう期待されており、地域と一体になったサービス向上を通じ、地域の暮らしに組み込まれた持続可能な存在になることが必要としている。現代のMaaS社会を見据えた提言と言えよう。そして、潜在的利用者が見込まれる地方都市近郊においては、駅間の短縮や覚えやすく利用しやすいダイヤ、弾力的な運賃設定等をパッケージ展開、地域の輸送ニーズにきめ細かく応える「コミュニティレール化」も有効なアプローチであり、また鉄道が地域の観光資源を結んで走ることにより、観光振興の役割を果たし、イベント実施や車両改装により「鉄道自らが観光資源」となり観光客の取り込みを図ることも有効としている。国交省は更に「地域鉄道活性化に向けた取組」や「地域鉄道の誘客促進及び経営改善に係る事例集」をまとめている。情報収集力の限られる鉄道事業者事業者向けに、エッセンスを取りまとめた資料だと思われる。国鉄宮福線、宮津線を継承した第三セクター北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、2013年から上下分離方式を導入、2014年5月に運行事業の引継ぎを全国から募集、WILLER ALLIANCEを選定、WILLER TRAINS(「丹鉄」)を子会社として設立した。「丹鉄」は2015年4月から宮福線・宮津線の鉄道運行事業を始めた。KTRは同日以降、第三種鉄道事業者として鉄道施設を保有している。全国初の上下分離方式の認定で2015年4月~2025年3月まで10年間行われる。KTRは鉄道用地・鉄道施設を保持し、丹鉄に有償で貸与、丹鉄は運行に専念した経営を、KTRは施設や車両維持、修繕、施設整備に係る必要額を自治体から財政支援され、施設設備の費用は国の補助を活用する。KTRは鉄道施設・車両の維持、修繕業務を第二種鉄道事業者である丹鉄に委託、丹鉄も間接的に負担が軽減される仕組みだ。丹鉄は民間のノウハウやアイデアを活用、運行に専念した自由な経営が期待される。「第二種~」としては、安全な輸送サービスの確保、集客・増客対策の実施、地域が一体となって展開する利用促進による増収、沿線自治体等による取組み(観光整備事業推進による沿線観光地の魅力向上、駅待合施設、トイレ、バリアフリー設備等の整備)が委ねられる。現在の「地域鉄道」には、鉄道を走らせる事業以外にも、地域の移動ニーズを汲み、沿線交通体系の一部としての「席」が認められ、鉄道維持熱を引き出すなど様々な「経営力」が求められている。丹鉄の成果に期待したい。国には、地域・観光の価値を高める潜在的能力を持つ「鉄道」という素晴らしい事業・技術・文化を再認識し、自ら稼ぐ「95社の地域鉄道」を育てるため、事業者が経営に取り込み易い資料の充実、人的・技術(MaaSや自動運転との組み合わせ)・台所回りの支援(コンサルテーション)を、常時提供できる専門組織の確立を期待したい。

2021年10月18日『NIKKO MaaS』に「湯西川温泉デジタルフリーパス」がラインナップ! 他

10月19日 「GoToトラベル」の行方はどうなるのだろうか?10/15観光関連事業者などの団体「日本観光振興協会」は、斉藤国土交通大臣に「GoToトラベル」の早期再開を要望した。要望書では、ワクチン接種済みの人などを旅行自粛の対象から外すことが出来る仕組みづくりや、同事業の早期再開、海外旅行の再開に向けた、水際対策の緩和などが求められた模様だ。これに対し、斉藤大臣は「GoToトラベル」は期待が大きく、経済再生の起爆剤となる事業だが、感染防止も重要だ。ワクチン証明を活用する実証実験などを通して再開時期を検討したい」と述べた。観光庁では10/15から全国100余りのホテルや旅館で、新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませた人などを対象にした行動制限の緩和に向け、実証実験を始めると発表している。実験では宿泊客がチェックインする際、ワクチン接種の履歴や検査結果の確認を円滑に行えるかどうかを検証、利用客に対しては宿泊した2週間後に体調の変化などについてアンケート調査を行うなどして対策の効果を確かめるとしている。岸田総理大臣は、政府が再開を目指す同事業について10/16に東日本大震災の被災地を訪れた際「週末に集中してしまっていた。せっかく平日があるわけですから。平日は少しまたポイントを深堀するというようなことを考えたらどうか」と発言し、また各自治体の県内の旅行割引を、隣接する県まで拡大できないか検討すると表明している。観光庁が発表している「主要旅行業者の旅行取扱状況速報(令和3年8月分)」によると、新型コロナウイルスの感染拡大による旅行の延期や中止の影響等により、対前々年(2019年)同月比で、総取扱額は各部門で大幅に減少したとの結果になった。主要旅行業者45社・グループの旅行取扱状況をまとめた結果は、海外旅行は総取扱額は対前年同月比172.0%、対前々年比2.7%、外国人旅行は732%、29.7%、国内旅行は108%、25.6%となっている。「GoToトラベル」の再開より少し前の開始となるが、浅草から東武線経由、会津若松からは会津線で相互乗り入れを行う野岩(やがん)鉄道の会津鬼怒川線(愛称:ほっとスパ・ライン)は、公式ページで10/28(木)から栃木県の日光地域で始まる環境配慮型・観光MaaS「NIKKO MaaS」で、会津鬼怒川線と湯西川温泉方面への路線バス(日光交通)が利用区間に含まれる「湯西川温泉デジタルフリーパス」をアピールしている。同デジタルフリーパスは4,500円(浅草発/大人)、有効期間は4日間、鉄道利用区間は乗車駅~下今市駅までの往復乗車券及び下今市駅~東武日光駅、湯西川温泉駅(乗り降り自由区間)、バス利用区間は鬼怒川温泉駅~東武ワールドスクウェア~日光江戸村と、鬼怒川温泉駅~川治温泉~湯西川温泉の2区間となる(*詳細は https://www.tobu-maas.jp/lp)。鉄道やバスなどの公共交通を利用するか、環境にやさしいEV・PHVカーシェアリング(24時間・365日貸出・返却可能)を利用し、併せてRE100による充電体験もしてみたいところだ。駅周辺の移動には、シェアサイクルも用意されているようなので、こちらもぜひ検索してみていただきたい。

衆院選北海道4区 立候補予定者討論会詳報<下> 自民党・中村裕之氏 立憲民主党・大築紅葉氏 他

10月18日 10/13に衆院選北海道4区の立候補予定者討論会が、北海道新聞の小樽支社主催にて行われた。立候補予定者は、自民党の中村裕之氏と立憲民主党の大築紅葉氏の両氏だ。討論の一つの論題となった北海道新幹線は、2030年度末の札幌延伸を目指し、新函館北斗~札幌までの212kmで工事が進む。新幹線の延伸が完了すると、並行する函館本線(在来線)の函館~小樽間はJR北海道の経営から分離されることとなる。分離された在来線は、今後沿線自治体と北海道により存廃が決まることとなる。その中で長万部~余市間と比較的輸送密度が高い余市~小樽間については扱いが変わる可能性がある。討論会で大築氏は後志(しりべし)の公共交通にはMaaSに注目していると発言している。自動運転やICTによる効率的な配車システムや移動手段によって費用の圧縮や人手不足の解消に期待を寄せる。余市~小樽間については存続、国の支援や企業版ふるさと納税、ガバメントクラウドファウンディングを利用、初期コストと維持コストを補う方法を考えているとした。長万部~余市間は維持を期待するも、輸送密度が低い点や高規格道路が出来ることなどを踏まえ、バス転換を想定しているようだ。一方の中村氏も、長万部~余市間は鉄路をJR自身の経営で残すべきとしている。長万部~余市間は新幹線の倶知安駅を起点にバス路線の充実を図るとしており、公共交通全般においては高速道路の延伸も考えているという。一方沿線自治体は、どのように考えているのだろう。函館本線の内、JRから分離される函館~小樽間は、北の①後志ブロックと南の②渡島ブロックに分けて議論が進む。2区間に分け議論されるのは、②は本州~北海道を結ぶ貨物が運行されており、物流の動脈を担うため鉄路そのものの廃止は考えにくい。しかし①は旅客のみのため、旅客列車を廃止すれば、鉄路そのものの廃止に直結する。長万部町は両ブロックの境界上にあるため、その意向は両区間の存廃に影響を与える。8月20日付けの北海道新聞では、長万部町の意向は「旅客廃止」の方向で町民の合意形成に動いているとされている。同町広報誌の5月号「並行在来線」の記事では、渡島ブロックの鉄道存続に肯定的な見解が掲載され、6月号においては、新幹線札幌延伸後30年間の「鉄道のみ」、「鉄道+バス」それぞれのケースの試算がなされた。結論としてはバス転換した方が自治体の負担は少ないとの結果だ。7月号に掲載された住民への聞き取り調査の結果では「バス網が充実すれば、鉄道には拘らない」との結果も出た。並行在来線周りの経済構造を簡単にまとめると、一般に新幹線を運営するJR各社は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構に「新幹線設備の借り賃」を支払い、同機構はJR貨物に「貨物調整金」を補助、JR貨物はこの「貨物調整金+線路使用料」を第三セクタ―に支払う。第三セクターはこれらの財源と自社の運賃収入で台所を賄う。だが「貨物列車」や「バス転換」は持続可能な仕組みと言い切れるのだろうか?「貨物列車」は、高速道路を走るトラックの隊列走行が実用化されたり、航空各社・新幹線との競争に晒され、或いは置き換えられる可能性もある。転換されたバス路線に待ち受けるのは、乗客の減少と路線バスの維持コストだ。今や全国の路線バスは急速に自治体の運営するオンデマンドバスに置き換えられているのが実情だ。在来線問題と称される負のスパイラルから脱却するには、新しい交通システムと経済構造(MaaS経済)に対する俯瞰と、新たな交通経済の育成を念頭に地域の公共交通を再編する視点が必要となる。制限を生む補助ではなく、可能性を生む領域プレイヤーの協調よる需要創出と「共通コスト」はまとめ、支払いを分散出来る台所、「個に分散する移動」と「纏めても良い移動」需要をユーザーに提供できる仕組みの構築にあるように思う。

日野自動車/ヨーロッパのデザイン賞で最優秀賞を受賞 他

10月15日 今年1月15日ダカールラリーで日野レンジャー(日野チームスガワラの日野レンジャー菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)が総合12位でジェッダ(サウジアラビア:ヤンブ~ジェッダ間)を完走・ゴールし、排気量10リットル未満クラス12連覇を達成している。華々しい戦果とは裏腹に日野自動車の第109期(2020年度)業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、原価低減活動を推進、営業利益は確保しつつも、北米工場の生産停止に伴う特別損失計上等により、当期純利益は赤字だった。同社は経営環境の変化を受け、トータルサポートの拡大や固定費の最適化、原価低減により競争力強化を目指す。中長期的には「Challenge2025」のもと環境や安全技術、デジタル化等を含む事業基盤強化、人流・物流の課題解決に取り組んでいる。同社はそのような中、10/15に電動モビリティのREE Automotive Ltd.(REE/イスラエル)と連携し、European Product Design Award 2021の「Design Society」部門において最優秀賞を受賞した。同賞は、実用的で熟考されたProduct(作品・製品を作るための戦略的思考)で日常生活の改善に貢献することを目指す国際的なデザイナーの努力を称えるため設立されたもの。主催するのは、1985年に設立されたFarmaniGroupであり、同団体はInternational Design Awards、Prix de la photographie in Paris、London International Creative Awards、Annual Lucie Awards for Photographyの主催者でもある。 日野自動車とREE社が出展したのは、「次世代商用モビリティソリューション」。乗客や商品を運ぶカスタマイズされたモビリティサービスモジュールを搭載するモジュラーEVプラットフォーム「PowerdbyREE」。商用モビリティはモジュール構造(動力部分は単独でも機能を発揮できるが、普通は上部に組み合わせる居住・荷室空間モジュールとの組み合わせで使う構造)。EVシャシ(動力部分)が両社の共同開発となる。低床・フラットのニーズや自動運転にも対応する。両社はこの次世代商用モビリティを通じて、CO2排出量の削減やインフラへの負荷の最小化、交通渋滞の緩和、企業の経営資源の最適配分などにより、新たな社会的価値を提供、生活の質の向上に貢献できるとしている。今回出展されたイメージを見直すと、上部に積載する居住・荷室空間モジュール部分は、物流トラックをはじめ、宅配BOXや二階建て観光バス、工事用のクレーン車、救急車、移動オフィス、キッチンカー、移動スーパー、待合室などにも利用出来、多彩な機能実装・サービス展開を想定したことが伺える。この企画には日野自動車が2月に発表、横浜の都心臨海部(横浜駅東口~山下ふ頭間)にデビューさせた国産初のハイブリッド連接バス「BAYSIDE BLUE」の仕掛け人でもある同社車両企画部のチーフエンジニア山口誠一氏が加わっている。

マイカー相乗り公共交通「ノッカル」、富山でスタート…デジタル&アナログが絶妙 他

10月14日 黒部川の河口に広がる扇状地の東岸、北陸街道の宿場町として栄えた富山県朝日町。朝日岳~白馬岳への登山口であり朝日岳登山の本拠地とも評される北又小屋や北アルプスの清冽な流れを集めるヒスイ海岸を有する朝日町は自然の宝庫だ。町内には、あいの風とやま鉄道と公共バス「あさひまちバス」、北陸新幹線の宇奈月温泉駅までの連絡バス「あさひまちエクスプレス」、黒東タクシーが走る。人口11,355人の足を支えてきた(2021年9月末現在)。昭和56年の最深積雪量は125cm、平成30年度の最低気温の極値は-8.1度(資料:富山地方気象台)だった。「あさひまちバス」は、高齢者の移動の不安解消を図り、通勤通学の公共交通の利用を促進している。中型バス1台、ワゴン車2台で町内7方向に12路線を運行する。平日の朝と夕は在来線への接続を重視、毎日61便が運行している。この朝日町で新しい公共交通サービスが稼働する。「ノッカルあさひまち」。博報堂と朝日町が国交省の「事業者協力型自家用有償旅客運送制度」を活用した新しい相乗りタクシーである。運行主体は朝日町自身、サービスの設計、コミュニケーションデザイン設計は博報堂が担った。予約と配車受付は長年地元でタクシー事業を担ってきた黒東自動車商会が、サービス設計と、実験中の一部車両の貸与・維持管理サポートはスズキが行う。「ノッカルあさひまち」は朝日町内の各集落と、泊地区中心部を結ぶコースを中心にこの10/1~本格運行が始まった。ドライバーは役場の職員と町内や雪道も熟知していると思われる住民ドライバー7名から始まり、現在は22名を数える。今回の「ノッカルあさひまち」の運行開始の背景には、既に運用中の「あさひまちバス」の負荷分散の意味もあると推測される。その便利さ・好評ゆえの悩みとも言える。これまで実証実験を続けて来たところ「ノッカルあさひまち」のリピーターも急増しているという。会員登録者数は164名、利用者はサービス開始以来、のべ799人。「ノッカルあさひまち」に乗車するための無料会員登録はWebサイト(https://buscatch.jp/nokkaru_asahimachi/)か、会員登録窓口:0765-83-1100に電話が必要だ。乗車時の予約は登録後に送付されてくるメールのURLか、予約窓口:0765-83-1189で電話予約が必要となる。利用料金はあさひまちバス回数券(*デジタルチケットではない)が必要となり、1人で利用の場合は回数券3枚(600円)、2人で利用の場合は回数券2枚(400円)を朝日町役場、あさひ総合病院、アスカインフォメーション、笹川簡易郵便局、朝日町漁業協同組合本所、みな穂農業協同組合あさひ支店、七沢商店(セブンストア)、関の館、あさひまちバス車内などで購入出来る。回数券はシルバータクシー券、福祉タクシー券、マタニティバスも使用できる。事故発生時の損害賠償責任の負担割合はすべて実施主体が負う。但し、協力事業者の故意または過失により、協力事業者が実施主体から受託した業務内容について適切に履行されていなかった場合は、故意の有無や過失の程度に応じて、両者が別途協議して定めることとなる。被害者との協議は実施主体と協力事業者の双方が協力して解決に当たる。その為、協力事業者の業務は道路運送法等関係法令に基づいて明確化されていなければならない(運行内容、運行管理及び車両整備管理の方法、運送の対価に係る収受の取扱い、事故の際の報告、協力事業者が行う実施主体への業務報告の内容及び頻度)。国自旅第318号 令和2年11月27日では、自動車局長が各地方運輸局長、沖縄総合事務局長宛の「事業者協力型自家用有償旅客運送における事故時の責任関係について」の中で、この他、地域の実情に応じ取り決めの内容を適宜追加することを妨げないとしている。実施主体の責任は、第一義的であるが故、運行中の事故における損害賠償責任について、特段の取り決めなく運転者に負わせることのないよう留意するものとする、となっている。(詳しくは、https://www.zenkoku-ido.net/_laws/201127kaisei_syorei_tsutatsu/318/【本文】事業者協力型自家用有償旅客運送における事故時の責任関係について.pdf)収益はドライバーと朝日町、黒東自動車商会で三等分する。ドライバーは1人を乗せて走ると200円となり、1000円分が貯まると同額の商品券と引き換えられ、同町商工会議所の加盟店で利用できる。この他朝日町はシステム設計を担う博報堂に別途システム利用料を支払う。住民参加による運行協力が、住民自身の移動と自治体による運行コスト削減にも貢献、地元交通事業者も運転業務負担を減らしつつ、予約受付管理に協力し、自治体から委託費を得られる仕組みだ。車両に広告掲載する、貨客混載などの収入要素を付加してドライバーの持続可能性を高める必要性が出てくるだろう。「事業者協力型自家用有償旅客運送制度」は4月1日現在、全国9カ所で導入されていることが分かっている(東京交通新聞6月7日掲載)。導入した自治体間でも、更なる知恵を出し合うことが必要と思われる。(「写真提供:(公社)とやま観光推進機構」)

クラウドバックアップサービス「AOSBOX Business」は「ITreview Grid Award 2021 Fall」の3部門で8期連続受賞~クラウドバックアップ部門、PCバックアップ部門の2部門で「Leader」、オンラインストレージ部門で「High Performer」を受賞~

2021年10月13日AOSデータ株式会社 クラウドバックアップサービス「AOSBOX Business」は「ITreview Grid Award 2021 Fall」の3部門で8期連続受賞~クラウドバックアップ部門、 […]

国交省、タクシー需要に応じて運賃を変動する「事前確定型変動運賃」の実証実験をスタート 他

10月13日 10/7に国土交通省が実証実験を開始すると発表した「事前確定型変動運賃」。これに伴い、10/11(月)より、ダウンロード数No.1タクシーアプリ「GO」を運営する株式会社モビリティテクノロジーズ(2020年4月1日にJapanTaxi株式会社より社名変更)が東京都内でタクシー事業者と実験を始めた。今回、国交省の実証実験に参画するのは、同社とウーバージャパン。*2021年10/19(火)~11/1(月)までの間は、運賃を変動させずに事前確定運賃を適用。「事前確定型変動運賃」をおさらいすると、各タクシー会社が、公定幅の範囲内(390円~420円)で運用する運賃を決定、更に該当運賃に2割増し・1割引をすることができるとの現行運賃制度に対して、「事前確定型変動運賃」は、現行制度下で各タクシー会社が取り得る最大・最小の範囲内(351円~504円)で運賃を変動させ、その変動させた運賃の平均単価が、公定幅の範囲内(390円~420円)に収まることを条件とするとのルールだ。各社にとっては、延べ36%の値幅(運賃変動幅)を活用した「顧客獲得キャンペーン」開始を意味する。これまで、一律だった運賃を天候やイベント開催などに伴うタクシー乗車需要の変化に合わせ、各社が任意に運賃を変動させることが出来る。タクシーアプリを通じて乗車前に運賃を確定することで「明朗性」を保つ。「流し営業」には適用しない。深夜割増や、障害者割引については別途付加することが出来る。モビリティテクノロジーズは11/30(火)まで、東京23区と武蔵野市・三鷹市において8,100台の、営業車で本実証を行い、ウーバージャパンは12/13(月)まで、東京都北区と板橋区、練馬区を除く東京都特別区で約1,000台で本実証を行う。ウーバージャパンは、日本国内においては、Uber Eatsのフードデリバリーのイメージが強いが、東京都内でも2020年7月から、日の丸リムジン、東京エムケイ、エコシステムと提携、その後も第一交通産業グループなどと提携し、タクシー配車サービスを展開している。21年2月現在の情報では、都内13区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、目黒区、品川区、文京区、台東区、墨田区、江東区、豊島区の全域と、世田谷区の一部)に展開している。国土交通省は本実証実験を通して、運用上の課題の抽出と今後の制度化に向けた検討の素材にする。