NEDO 首都高を使った自動運転の実証実験を開始

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3月30日 先日当欄に記載した国土交通省のレベル3における啓発ビデオの中では、クルーズコントロールや車線維持、衝突被害軽減ブレーキなどの課題が扱われていた。昨今、レベル3の課題の一つとして「高速道路」本線への「合流」時のコントロールが話題に上がる。この課題に対して一筋の光が見えて来た。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、3月16日から、首都高(羽田空港~臨海副都心間)で合流支援情報(インフラ側の情報)を活用した自動運転の実証実験を開始した。実験では、車両を一般道からETCを通過し、安全に本線に合流させる。関連分野の研究は、国土技術政策総合研究所や自動車メーカー(トヨタ、日産など4社)、電機メーカー、地図会社、高速道路6社、日本道路交通情報センターなどが共同で取り組んでいる。レベル3車両の販売開始以降は、首都高の中央環状線など複雑な構造を持つ道路内での走行が想定される。双方の成果を協調させ、より安全性の高いシステムが早期に実用化することを期待したい。

政府、2020年度もスマートシティ関連事業を支援…自動運転モビリティサービスなど 他

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3月26日 令和2年の各省庁のスマートシティー関連支援事業が明らかになった。内閣府の支援対象は社会実装に向けたハンズオン支援(各種補助金、制度的・技術的課題等に対する助言等)、総務省はデータ連携PF構築など、実装に係る経費全般、国交省(都市局)は実証実験に、経産省は実証実験事業に係る経費全般、将来構想、事業計画策定、事業性分析支援等のソフト面での支援、国交省(総合政策局)は実証実験に係る経費全般、AIオンデマンド交通やキャッシュレス決済の導入に予算を割り当てた。本事業に於いて内閣府は地方創生の観点から優れた自治体の未来技術の抽出と各自治体への展開(地域実装協議会の構築)、総務省は分野に関わる様々なデータ収集・分析を行う基盤、推進体制づくり、国交省(都市局)はスマートシティ分野での先駆的な取り組みの募集と支援、経産省はサービスの事業化を見据え、異業種連携による収益の活用・付加価値創出、その他の移動との重ね掛けによる効率化、サービスのモビリティ化、需要側の変容を促す仕掛け、モビリティ関連のデータ取得、交通・都市政策との連携、国交省(総合政策局)はMaaSの普及、より本質的な移動手段の確保や充実、交通機関の維持・活性化を狙い実証実験や基盤づくりへの支援を行う。成果を期待したい。

国交省「運転支援システムを過信・誤解しないで!」とビデオ作成 自動運転機能の前段階 他

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3月25日 国交省は運転支援システムをドライバーが過信・誤解しないよう啓発に乗り出した。同省は「実験の様子」に俯瞰図等をあわせ、クルーズコントロール、車線維持、衝突被害軽減ブレーキなどを例に挙げ、支援システムには限界があり、レベル3の場合、事故発生時の責任の所在はドライバーにあると警告している。一方、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)と科学技術振興機構(JST)は、マツダの研究用モデルを元に自動車における自動運転の経路計画プログラムから危険動作を自動検出する手法を開発した(現時点では事故が自車責任か否かを判断するためだけに作成、今後検出した複数の事故すべてに対し動作を改善する修正案の検出など、知見の自動獲得を目指す)。同プログラムは自車の動作修正で衝突の回避が可能なシナリオだけを自動検出できる。開発者は現実的な想定の細部を書き出す必要がなくなり、大まかなシナリオ状況の指定だけで問題点を検出できるようになる。MaaSも自動運転領域も、問題に対する答えやヒントが広域に分散し、知見同士のマッチングや解決まで時間を要するのが現状と思われる。昨年12月、IT戦略本部で行われた「第3回自動運転に係る制度整備大綱サブワーキンググループ合同会議」では、自動運転システム等の定義の見直しや用語や呼称の統一、関係者が連携する基盤としてモビリティに関連する要素技術を俯瞰するような、リファレンスアーキテクチャを構築する提案が出されている模様。国を含め、関係各所にとってデータ基盤のオープン化やビッグデータ同士をマッチング、活用し易い状態に整理、必要なソースへのアクセスの効率化が求められている。

農業にこそ自動運転を!未来を切り拓く、クボタの試み 他

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3月24日 農業分野において自動運転化が進む。農業と言えば、食を担う重要分野。スマート農業という言葉をご存じだろうか。ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業形態を言う。業界は凡そ自動車(国内)の半分程の規模と言える。専業農家は、大規模化を意図して法人による農業経営化の流れがある。但しその担い手は減少・高齢化により労働力不足が課題だ。農水省は農業技術×先端技術により課題解決を図る。自動運転技術は、ロボタクシーならぬロボトラクタ、アシストスーツやドローンとして活かされる。これまで自動化が難しかった分野でもあり今後の成長が期待される。これら農機の導入コストについても、農水省の交付金や事業予算に加え、RaaSによる農業支援サービスが立ち上がり、機器を販売せず収穫量に応じ課金する仕組みなども増えている。農業分野にも「移動手段の自動運転化」に匹敵する変化が起こることは確実だ。

JR東日本「ググっとぐんMaaS」デジタルフリーパス2種類4~6月発売 他

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3月23日 MaaS導入におけるハードルのひとつに社会受容性(新技術やサービスに対する利用者の理解)が考えられる。アプリやブラウザ利用の促進、MaaS体験の促進(社会受容性の向上)等のため設定される「キャンペーン」。観光型MaaSの場合、キャンペーン利用者数に観光目的の訪問者と住民の利用が混在する。また観光地型MaaSはチケットが割安なら、利用者数が上積みされる。検証される数値の中で、ベースとなる地元利用者数や近隣自治体からの往来などは、おそらく出発地や到着地などから把握できる。新サービスリリース後の地元の利用・移動数などの変化は、導入効果を測る上で大切な値だ。これまで実施された実証実験で、アプリやブラウザの利用開始時の住所登録や、キャンペーン後のアンケートなどで、観光目的かあるいは地元利用なのかなど、利用状況は細かく分類・把握できたのか。MaaS導入を検討する自治体は純粋なニーズの把握に努めたい。本年は、各地で行われた実証実験データが集約・検討される年。精度を上げるため、実験結果のデータが示す動員数や、社会受容性を表す数値は慎重に検討していただきたい。

静岡県沼津市でEV路線バス運行開始 沼津駅―沼津港 他

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3月19日 静岡県沼津市で伊豆箱根バスが、3/18にEV(電気自動車)バスの運行を開始した。同社の発表によると、今回の運行においては自動運転や優先信号制御は行われない。沼津市のウェブサイトでは、実証実験に使用した車両において自動運転システムとの接続機能に不具合が見つかったためと説明されている。1/22~1/31まで行われた「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」と連携した実証実験においても、今回と同型の低速電動バス「eCOM-10」が使用された。同プロジェクトはバス運転手の不足、バス路線の維持、高齢者の免許返納後の移動手段、公共交通のITC化など地域交通の課題解決との使命を担う。運行開始という重要なステージおいても、透明性が確保された沼津市の発表には好感が持てる。群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センターや小糸製作所、交通管制センター、車両メーカーなど開発関係者の技術力を集めたい。

自動運転の実現に向けた国土交通省の取り組み 他

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3月18日 「自動運転の実現に向けた国土交通省の取り組み(2017年6月)」を読み返すと、自動運転技術の開発・普及促進の中に自動運転を視野に入れた除雪車の高度化という取り組みがある。道路・空港・鉄道関係者や全国の約31%に当たる豪雪地帯(24道府県532市町村/H28年時点の指定)にとって除雪車の自動運転化の話題は興味深い。日本では、1950年頃から米軍の要請を受けバス会社や自治体により除雪が始まる。現在、NEXCO東日本では除雪作業の熟練技術者不足に対応するため、運転支援システムの開発を進めており準天頂衛星システムと3次元高精度地図データから、雪氷車両の安全なガイドを試みる。またロータリー除雪車の自動操舵技術の開発などに取り組んでいる。また会津大学では雪害を減らすため、積雪監視や除雪経路を探索するソフト開発なども進む。会津若松市では会津若松市除雪車運行管理システムを稼働させている。4者の成果集約に期待がかかる。

自動運転車両による「住宅地における路車間通信」の実証実験について 他

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3月17日 日本総研が「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」(神戸市北区筑紫が丘、3/16~25まで路車間通信の実証実験)に取組んでいる。今回は交差点での右折や合流の際、死角からの飛び出しや発進・停止時の加減速のタイミング制御のため、車載側及び道路側センサーの協調を図る目的。コンソーシアムは2018年8月29日に設立、限定地域内で自動運転技術を活用、高齢者などの近隣移動の支援サービスの事業構想を策定することを目的にしている。1970年代に開発された全国約2000箇所以上の郊外ニュータウンは、開発当時の地勢や交通事情を抱えたまま、経済環境の変化や高齢化社会を迎える。その多くは丘陵地に造成され坂道や交差点も多く、高齢者の移動問題、交差点における車両同士の制御、とりわけ右折時の巻き込みや飛び出し事故防止への対処も重要となる。実験の結果は、多摩や千里、泉北、高蔵寺ニュータウンなど丘陵や山間部を擁する自治体などでも、自動運転による移動サービスを導入する際、移動弱者に快適な移動を提供する貴重なデータになると思われる。

国交省「MaaS関連データのガイドライン」の留意点まとめ 他

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3月16日 国土交通省から「MaaS関連データの連携に関するガイドラインver.1.0」が発表されたのは、1/23。年度中の取りまとめが急がれる。「データ連携の意義」の件では利用者の交通手段の選択肢拡大、シームレスな移動サービスの提供による地域や観光地の移動手段の確保・充実や利便性の向上が謳われる。連携については民間の事業者でプラットフォーム構築が進んでいることから、APIによる連携が望ましいとされている。資料には関係者の利害関係調整の意図も含まれそうだ。「ルール」と題して協調的データ、競争的データ(収益源)に触れられている。「人の移動に関わるデータ」は宝の山、「派生データを作成する」ことで新たなビジネスを生む可能性を持つ。プラットフォーム運営者に対し、データ提供者の存在は収益の源泉といえる。データ提供者は早期に交渉可能な体制を構築できるなら、大きな交渉力を持つことも可能だ。資料には「ビジネスとしてのMaaS」と題してプレイヤー各位の収入源と費用負担についても説明されている。利害を軸に「データ提供者×プラットフォーム運営者」、「国とMaaSプレイヤー」の構図も伺える。ルール策定は必要だが、牽制が遅延に繋がるのなら利用者の益には適わない。同省にはリーダーシップを発揮し、迅速に組織間の連携も進めていただきたい。

空港内の移動をサポート!「自動運転モビリティ」の実証実験がスタート 他

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3月11日 オリンピック開催予定日まで135日。空港~会場・宿泊施設・観光地まで、人やモノの移動の自動運転化(実証実験)が進む。今年2月には東京でZMPや日の丸交通らにより、リムジンバス→自動運転タクシー→ラストワンマイルを超小型モビリティーで繋ぐ実験が行われた。また同月には、ANA、京浜急行、横須賀市、横浜国大らによって羽田空港から横浜美術館までの「Universal MaaS」化のための連携が発表された。また同空港では昨年11月に、WHILL、JAL、日本空港ビルディングらにより、施設内において移動弱者を支援する自動運転システム(次世代型電動車いす)の走行試験が行われている。中部国際空港(セントレア)では、昨年12月にAiROにより制限区域内における自動走行バスにより、駐機場からターミナル間における乗客輸送実験が行われた。少し遡ると昨年の3月には、ANAが佐賀空港のターミナルの手荷物仕分け場と航空機間でトーイングトラクター(貨物運搬車)の自動走行試験を実施している。2020後においても、続けて世界に貢献できる技術を培っていただきたい。

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