令和3年度「スマートモビリティチャレンジ」事業の成果と今後の取組の方向性について 他

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。

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令和3年度「スマートモビリティチャレンジ」事業の成果と今後の取組の方向性について


自動車フォレンジック関連サービス(Related forensics services)


AOSデータ社の自動車フォレンジック関連サービスは、予期せぬインシデントが起きてしまった場合、事後対策として車載デバイスやメディアなどから、お客様の必要とされるデータの抽出・解析調査・レポーティングを迅速に行うサービスです。

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Impressions:4月7日 昨日ご紹介した通り、富山県朝日町で自治体DX・カーボンニュートラル推進部署「みんなで未来!課」が設置された。本日はそのパートナーとして協働した老舗の広告会社が地方自治体において、MaaSの社会実装のため行った「取組み」について、もう少しご紹介させていただきたい。博報堂は「生活者発想型MaaS」を提案、欧州型や海外参考のMaaSというより、日本にあった(地域にあった)MaaSの導入を進めて来た。その理由は、今後MaaSに取り組もうとする地方自治体において、公共交通について情報や決済などのデータの統合は一切行われていない「レベル0」のケースが大半であり、データの統合以前に交通空白地帯やコミュニティバスの赤字、路線バスやタクシー事業者の撤退などに悩む地域が殆どだからだという。だからこそマニュアル通りのMaaS導入ではなく「生活者発想」による解決が必要と言える。朝日町は人口1.1万、高齢者化率は43%超えで、鉄道の駅やコミュニティバス、タクシーが存在するものの、同町ならではの課題も存在していた。「ノッカルあさひまち」は、既存の交通体系の中に新たな有償交通を加える形となる「ノッカル」を助け合い交通とした理由の一つに、路線バスの撤退により、全国各地で自治体自身が運営する「採算の取れないコミュニティバス」が走っている現状がある。これらの人件費や車両費が自治体の台所を圧迫してしまうケースが散見されるため、この課題に対しては、かような不採算路線を「住民同士の助け合い」という形を取ることで、人件費・車両費を抑制した移動サービスに置き換えると発想し、新たな移動サービスは一般のドライバーの自家用車を活用、自治体が運営する公共交通との形を取り、既にある地元の公共交通事業者と協働しない「交通事業者協力型」とした。ドライバーには自身の用事のついでに人を乗せてもらうので、時給ではなく、ガソリン代+謝礼を支払う。よって募集についても「ドライバー募集」ではなく「ノッカルサポーター募集」という形にした。また「ノッカル」は、一般的なカーシェアやMaaSのようなAIによるマッチングではなく、ドライバーに事前に移動の予定を登録してもらい、乗車希望者にその中から時間を選んでもらう方式を採用した。理由は、利用者の大半が高齢者でスマホを持たない方が多く、予約の大半は電話となる実情がある。一方のドライバーは、やや年齢層が下がるため、運行予定をパソコンやスマホからWeb経由で登録してもらうことが出来る。電話対応を含めたオペレーションは、タクシー会社の黒東自動車商会に協力を仰ぎ、利用者からの電話予約をシステムに登録して貰い、予約情報などはドライバーに自動的に通知される仕組みを採用している。ユーザーインターフェースは「本当にデジタルであるべきか?」との発想からだ。募集する「ノッカルサポーター」の募集にも工夫が凝らされている。事前登録形式を採用したとはいえ、バスのように「毎週この時間であれば確実に移動できる」との運行方式にした方が、より利用しやすい。そこで地域の集まりや、自治会、民生委員、体操教室などに声をかけ、毎週決まった時間に移動している方に「ノッカルサポーター」を依頼することにした。他にも「この曜日は必ずパートに行く」といった方にも登録して貰い、定期便のような形の運行を可能な限り確保している。また利用者には、紙の時刻表を毎月郵送している。時刻表にはバスの運行時間も併記している。「行きはバスで、帰りはノッカルで」といった使いわけが出来ると利便性が増すためだ。リアルタイムやオンデマンドが必要とされる「AIマッチング」を選択しなかったのは、バックヤードでドライバーを待機させる必要が有りコストがかかること、そしてタクシー会社と業務形態が重なってしまうのを避けるためだ。これらを考慮し「ダイヤによる運行」を選択している。目標は地域の交通体系を維持することにあり、ノッカルありきではなく「地元の既存交通との共存できるサービス設計」を心掛けている。都市部でオンデマンドが必要とされるのは「すぐに移動したい」ユーザーの利便性に応えるためだが、同町の利用者(高齢者)においては、予定は逼迫しておらず、「週に1~2回スーパーに行ければよい」といったニーズが主だ。このような利用目的であれば、午前に1往復、午後に1往復確保出来れば十分だ。ルート設計と乗合時間の最適化も検討されたが、同町の構造上各地域と中心部は基本的に一本道である為、採用を見送った経緯もある。ダイヤ設計もドライバー側には「9時~10時半」のように幅を持たせて登録してもらい、利用者には「9時~9時半」「9時半~10時」「10時~10時半」といった時間帯を選択して貰い、予約が入り次第締め切る。こうすることで一人のドライバーの方に複数の時間帯を担当してもらうことができる。プロジェクトを進めるうち「ドライバーも出かける時間をそんなにシビアに考えているわけではない」ことが分かったからこそ、このような設計が可能となったという。「ノッカル」のダイヤをバスのものと統合して一つにしたのも、ポイントの一つと言える。当初はスマホでダイヤを発信したり、Webでリアルタイムで更新することが想定されていたという。前述の通りスマホの利用が少ない高齢者が多い同町では、コミュニティバスの利用者も多いため、ノッカルのダイヤを併せて表示することで、新たな移動手段を利用者が自然に利用できるよう配慮している。高齢者に「ノッカル」の情報をどのように認知してもらうかとの課題には、同町のケーブルテレビ(「みらーれTV」黒部市/入善町/朝日町のケーブルテレビ)を活用している。ケーブルテレビによるアピールについても、サービスの実装を試みる中で、同町の高齢者の方々の多くはケーブルテレビ経由で情報を得ていることが分かり、なじみ深いメディアを通してストレスのないアピール方法を確立することが出来た。スタッフが現地に足を運びつつ得た貴重な発見だったと言える。朝日町内では、従前地域の中で個人的な送迎を行っている方はいたとのことだが、慣習的に乗せてもらったお礼に何かをお返しするなどの慣行もあり、利用をためらう方もいたという。しかし「ノッカル」がサービス化され、対価を払うことでむしろ気軽に利用できるようになったとの声も聞く。またサービス提供側となるドライバー側からは、地域に貢献したいとの思いはあったものの、なかなかピンとくる仕組みがなかったが「ノッカル」の仕組みはノリやすいとの声もあるそうだ。高度だが、サービスを創出する中で丹念に様々な方面の声に耳を傾け、サービス提供者と利用者の心理的作用も巧みに捉えた、博報堂の「生活者発想」「パートナー主義」や朝日町の移動サービスへの熱量が功を奏したと言える。「広報あさひ」には、現在「免許返納で特典!?公共交通割引制度について」の記事が掲載されており、小見出しには「免許返納しても移動に不便なし!」と頼もしい言葉が目に入る。お隣の欄(「新生活には町内の公共交通を!」)にも、「朝日町内の公共交通は充実していますので、新しい生活にあった移動手段をぜひご利用ください!」と記載されている。「ノッカルあさひまち」が、町内の移動を支える公共交通の一角にしっかりとが根を降ろしている様子が伺える。「ノッカルあさひまち」が社会実装されるまでの長い道のりを歩んだ面々やそのノウハウは「みんなで未来!課」に集約され、MaaS導入を起点に、再生可能エネルギー、SDGs(持続可能な開発目標)、デジタル・トランスフォーメーションなど、新たな課題に取り組もうとしているものと思われる。

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