エントリー - h.shiba

伊豆の観光型MaaS「Izuko」のエリアが拡大、交通や観光の予約・決済・利用がスマホ1台で可能 他

12月2日 伊豆半島で「Izuko」の実証実験(Phase3)が始まった(2020/11/16~2021/3/31)。思えば当欄で昨年末にも、目下Phase2の最中だった「Izuko」についてレポートした。ブラウザベースに衣替えした今回のフェーズでは使い易く工夫されたインターフェイスを公開中だ。先回は鉄道や・商業施設とのキャッシュレス化に取り組んでいたと記憶しているが、今回のWebサイトでは、スマホで事前に交通・飲食・観光施設チケットの購入を可能にしている。決済手段としてクレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club)に、楽天ペイ(オンライン決済)、モバイルSuicaネット決済を追加した。熱海、来宮、伊東駅ではスマホ画面に表示されるQRコードを改札に設置されているリーダーにかざすことで入出場が可能になる。これらは、キャッシュレスと同時にウィズコロナ時代の「非接触サービス」として好感が持てる仕組みだ。この仕組みは観光シーズンにも混雑しがちな駅の窓口やショップの支払い時に効果を発揮しそうだ。地元の観光・飲食店・交通事業者もソーシャルディスタンスの推奨・ハンドソープや消毒液の設置、スタッフのマスク着用、手洗い、手指の消毒、体温測定などの健康管理、こまめな消毒や換気などの衛生対策を実施、またWebサイトのMAP/スポットで紹介される一部の対象店舗では「VACAN」により現地の混雑状況を確認することが出来る(期間中に対象施設を随時追加予定)など衛生対策も作り込まれている。

MaaS実証実験、ルート検索とクーポン配布で移動量増やす 新潟市で実施予定 他

12月1日 新潟MaaSの地域性。12/1から新潟市でエヌシーイー、新潟交通、日本ユニシス、長岡技術科学大学により、「りゅーとなび」を使用したMaaS実験が行われる。ルート検索と市内商業施設で利用できるクーポンの提供により「複数移動手段・移動目的」を提供し、地域内の移動量を増やし、公共交通利用の行動変容を促す効果を検証、アプリから得られるデータを中心部の活性化施策に役立てるという。新潟市地域公共交通網改正計画(最終案)から市の公共交通の現状を鑑みると、ネットワークは一定のレベルを確保しているが、重複したバス路線の整理や、一部地域の朝の時間帯の定時制の確保、終発時刻の後ろ倒しが求められている。道路の混雑状況の改善もその一つだ。市民の意識調査を見ると、40代の公共交通の利用意向は高い(「現在利用していないが、今後利用したい」44.9%)ものの、20代後半は今後も利用するつもりはない(5.7%)という意見が多い。市は「公共交通と自家用車との適切な役割分担・最適化」を第一の課題と捉えている。都市部における回遊性の向上は課題の三番目だ。新潟は東京以西に比べ、冬季の移動が厳しい地域だが、MaaSアプリにより蓄積されたデータを分析することで、公共交通の地域や時間による偏りを適性化し、公共交通への乗り換えが進み、結果として「市内回遊性の向上」や「歩行者交通量の増加」に繋がれば、何よりだ。

誰もが自由に移動しやすい環境 「ユニバーサルMaaS」実証実験を予定 他

11月30日 ANAと京急電鉄、横須賀市、横浜国立大学は6月に発表したユニバーサルデザインに基づく総合的な移動サービス「Universal MaaS」の産学官共同プロジェクトを進めて来た。本プロジェクトは、これまで個別にサービス提供してきた各事業者が連携し「ユニバーサルデザイン」の発想で包括的な移動サービスの提供を目指すもの。今回、12/1(火)~始まる実証実験では、ユニバーサルMaaSの「ユニバーサルお出かけアプリ」を改良し、屋外ナビゲーション機能や旅程の作成・保存・サポート手配機能を提供する。同日から横須賀市総合福祉会館を会場に開催される「WheeLog!街歩きイベント in 横須賀」(10:00-16:30)を皮切りに新しい移動体験ができる場を市内で順次提供していく。参加者はアプリを体験しながら、汐入駅~スカジャン発祥の地「ドブ板通り」商店街周辺の街歩きを楽しみつつ、アプリの基礎となるバリアフリーマップを作製する。サービス提供者とアプリ使用者がコミュニケーションしながら、社会実装に耐えるアプリを育成していく開発手法とその成果に期待したい。

自治体初となる自動運転バスの定常運行 茨城県境町が開始 他

11月27日 自治体初、茨城県境町で自動運転バス(正確に表現すると限定領域における自動運転バス)の生活路線バスとしての定常運行が始まった。運行には、BOLDLYとマクニカが参画する。このうちBOLDRYは、車両の運行業務と自動運転車両運行プラットホーム「Dispatcher」を使用した遠隔監視を行う。ルート選定や設定、3Dマップのデータ収集、障害物検知センサーや車両の設定作業なども担当した。マクニカは車両メーカーであるNavya社の国内総代理店として、車両やシステムのメンテナンスなど、主に技術面を担当する。どこまで自動化されたのか、またどこが手動なのか?についてスポットを当てる。車両はGPSや3Dマップで一を確認しながら自走、また360度をセンサーで検知、障害物が検知されれば自動停止する仕組みを有している。運行時を見てみると、運転士(一部区間・交差点・停止車両の回避など緊急時のみ操作)と保安要員が同乗する。今回の運転は法的には自動運転レベル2と見なされるが、技術的な側面からはレベル4相当と言われている。「自動運転ではない」などというつもりはない。バスは運行可能な「現在の状況」を見極めた上で、町民の足として立派に機能するからだ。自動運転バス「境町モデル」の路線拡大・増便・機能向上に期待したい。

MaaSのマネタイズ、無限の可能性!「フィービジネス」はあくまでベース? 他

11月26日 ご当地MaaSを強化しては如何でしょう(唐突に申し訳ありません)。MaaSにおけるマネタイズを本格的に議論する段階が到来している。各地で自動運転及びオンデマンドバス運用のための実証実験が盛んに行われている。いまや列島各地で、地域によって多少の時間差こそあれ、そう遠くない未来にサービスの運用が開始され、実際に「コスト」が発生するとともに、サービスを軌道に乗せるため「収益」「コスト削減」が必要になる事を意味する。MaaSアプリを中心とする運賃、割引チケット、広告収入を基軸に据え、各地では「付加価値創造」にも余念がないと思われる。交通事業の収益は、利用者の利用頻度や移動距離、速達性や移動環境の快適さなどに松竹梅を付して構築されて来た。コロナ禍ゆえ「Go To~」による不要な移動喚起は避けたい。では、何を「付加」するのか?アプリによる「情報の」利用頻度を上げ、3密の回避、非接触の推進、そしてコロナ禍の出口戦略だ。一案だが、発送可能なご近所(域内向け)・ご当地(域外向け)のセール・特産品情報の充実と、コロナ禍後の移動需要の積み上げ(早割・予約)などが有効ではないか。

,

AOSデータ社、田辺総合法律事務所 東 浩氏を講師に迎え、第13回オンラインセミナー《法令遵守にとどまらない新たなコンプライアンス・リスクマネジメント!「コンダクトリスク」に迫る》 を配信

2020年11月26日AOSデータ株式会社 AOSデータ社、田辺総合法律事務所 東 浩氏を講師に迎え、第13回オンラインセミナー《法令遵守にとどまらない新たなコンプライアンス・リスクマネジメント!「コンダクトリスク」に迫 […]

【オンライン公開】 《法令遵守にとどまらない新たなコンプライアンス・リスクマネジメント! 「コンダクトリスク」に迫る!》オンラインセミナー

2020年11月26日AOSデータ株式会社 【オンライン公開】《法令遵守にとどまらない新たなコンプライアンス・リスクマネジメント!「コンダクトリスク」に迫る!》オンラインセミナー プログラムのご紹介 【ご視聴にあたっての […]

自動運転バスの公道実証実験を塩尻市で実施へ…ドライバー不足や、運行とニーズとのギャップが課題 他

11月25日 塩尻市で、11/24~11/27まで公道におけるバス型自動運転車両を用いた「塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクト」が始まった。本実験で用いられる高精度三次元地図(ダイナミックマップ)は、塩尻市・一般財団法人塩尻市振興公社が実施する公設クラウドソーシング事業「KADO」が募った子育て中の女性など、地域住民が作成したものだ。クラウドソーシングとは、不特定多数の人にインターネットを活用し応募者を募り、自社の業務を委託する方式のことを言う。必要な時に人材やスキルを気軽に調達できる。「KADO」はコロナ禍で収入が不安定となった人やリモートワークを考えている層に、ライフスタイルに合わせ就労時間に拘束されない「働き方改革」を提案する格好だ。具体的には自動運転に必要となるダイナミックマップのタグ付け、地図作成などに市民の参加を募った。これらは実証実験後も、路線の設定毎に継続して雇用機会を創出できる。MaaS実証実験を新規雇用の創出に結びつけたアイデアはさすがだ。バスやタクシーのドライバーに遠隔監視業務を担ってもらったり、地元の高齢者向けのスマホ操作教室を開催したり、或いは新しい給電スタンドを設置したり、新しく生まれる交通モードが生み出す地元経済への波及効果にも注目していきたい。

スマート社会へ:公共交通機関のアプリ開発(福島県会津若松市)他

11月24日 地方自治体へのMaaSを実装する際の担い手と言っても、大手私鉄の社員の方から地方のスマホ教室の経営者まで、多彩だ。福島県会津若松市では市内のICT関連企業や公共交通機関などで構成する「会津SamuraiMaaSプロジェクト協議会」は、参画する企業や団体など(【構成員】会津バス、アルプスアルパイン、会津若松市、会津鉄道、デザイニウム、三菱商事、KCS、JR東日本、NEC会津IC、福島大学【オブザーバ】ITS Japan、会津大学)が連携しつつ社会受容性を高めている。MaaSの普及にはビッグデータとアプリ以外にも、移動需要の創出や高齢者へのスマホ操作支援など、コミュニティの中に様々な人的支援層が必要とされる。同プロジェクト協議会では、相乗り型タクシーやダイナミックルーティングバスの利用前提となるスマートフォン教室(ソフトバンクが協力)を今年6月以降、月2回開催しているそうだ。高齢者を含む移動弱者の中には、これらの知識共有が必要な層が含まれるためだ。こうした着実な足場固めが出来る協議会はまだ少ないのかも知れない。今後とも同協議会の取り組みと成果に注目し、素晴らしい取り組みの共有を期待したい。

国交省、日本版MaaS普及に向け支援事業者を追加発表 キャッシュレス導入支援など 他

11月20日 国交省はMaaS普及に向け、基盤整備の一環として地域の交通事業者への導入支援を継続している。本年5月にはAIオンデマンド交通導入(5事業者)、7月にキャッシュレス経済の導入支援(8事業者)、そして同ジャンルに新たに18事業者への交付・支援を発表した。また、運行情報等のデータ化においては、新たに10事業者への交付・支援を発表している。同省が目的とする全国へのMaaSの普及を考える。全国に先駆け、先に交付・支援を受けた各事業者はMaaS導入について、これら情報への感度も高く、積極的に取り組みを行える素地を有し、あるいは喫緊の課題解決を迫られている事業者と見て良い。だが、発表の中からは「今後」導入を図ろうとする各交通事業者への資金面以外での推進策が見え辛い。本当に支援が必要な地域の小規模事業者が「MaaSの必要性を意識し、行動を起こすに至る」情報が行き届いているか。同省としても「おんぶに抱っこ」までは出来ない側面があるのかも知れないが、小規模事業者に資金交付・情報支援が行き届いてこそ、本来支援が必要な地域においても、MaaSの普及速度が上がるのではないか。移動の自由について「格差」は広がってはならない。