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官民連携で取り組み加速! 他

1月18日 埼玉県毛呂山町の歴史民俗資料館の西側には、今も川角・大類境の鎌倉街道の遺構が残る。鎌倉街道とは、中世の政治の中心「鎌倉」と関東諸国、信濃、越後、陸奥を結ぶ主要街道で「いざ鎌倉」の言葉の通り、御家人が往した軍事道路且つ物流の幹線道路のことである。毛呂山町では2020年3月に「国土交通省スマートシティーモデル事業 先行モデルプロジェクト」に(全国の町村部で)初採択され、同町の目白台ニュータウン内の自治会館~学校給食センターまでの約2.6キロで、自動運転バスの実証実験を行った経緯がある。毛呂山町の取り組みは、経産省の別な資料でも紹介されている。主旨は移動弱者・高齢化社会に寄与できる永続可能なモビリティネットワークの構築と謳われている。これら喫緊の問題(ニュータウン最寄駅間のアクセス問題)は、解決可能なら、ニュータウンの価値の再評価につながり、利用者のボリュームが見込めるエリアとなり成功事例となる。町は同時にビジネスとしての横展開も設計している。導入コストについても過大なインフラ整備や3Dマップへの過度な依存を再検証し、将来的には複数台の制御を目指すとある。また、運用コストの調達に向けた「交渉」を同時に進めるとしている。更にこれまでの運賃収入への「アンチテーゼ(否定的命の意)」、鉄道南北の人口比率の変化や都市機能立地状況も踏まえた、新たな民間事業者との連携、過疎地域における貨客混載事業とも視野に検討を進めると表明している。(H31.4.8「中間整理を踏まえた調査結果報告」)現代に人流の鎌倉街道を築くため、同町の台所奉行は切り盛りの腕を振るっているようだ。

NEC、AIで車載カメラのデータ量削減 自動運転に 他

1月15日 1/12に配信した群馬県前橋市で2月に行われる総務省の「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の委託を受けて行われる実証実験において、NECがアピールする「学習型メディア送信制御技術」と「学習型通信品質予測技術」はどのような技術なのか詳しく見てみた。(参考:NECの先端技術「自動運転・無人運転を支える通信技術」)自動運転車を安全に運用するためには、遠隔管制からのリアルタイムな監視や制御が重要となる。しかし、公道を走行しながら高画質なカメラ映像を送信する場合、通信変動と通信量の増大により、モニタリング映像が乱れたりする問題があった。情報共有の要となる無線通信は、電波環境や送信データ量により、通信速度などの「品質」に影響を受けることとなる。「品質」をかみ砕けばユーザーの体感やモノの制御品質に行き着く。ここに「効率的な通信制御」が求められることになる。「学習型メディア送信制御技術」は、車両からの映像を遠隔地にある監視センターにリアルタイム送信し、映像分析AIにより危険を自動検知できる技術のこと。大容量のデータ送信には通信速度によりノイズや遅延が生じるが、本技術を使えば、膨大な送信データ量を抑え、カメラ映像の注視領域と必要画質をAIが自動制御、限られた車上小型デバイスの上での処理を軽量化、リアルタイム性を確保できる。「学習型通信品質予測技術」は、モビリティの位置の変化に着目し、AIが状況に応じた通信状態の予測モデルを蓄積したデータから生成、モデルを切り替えることで常に変化し続ける通信状況下でも、遅延を低減しリアルタイム通信を実現させることが出来る。自動車の安全性向上のためには車載センサーの活用以外にも、車同士の通信や遠隔監視などの技術も必要とされるが、前提として「リアルタイム通信」が不可欠とされる。これらの技術により環境変動に強い安定的な自動運転完成を実現することが出来る。

「自動運転×宅配」の国内最新動向まとめ!2021年はどうなる? 他

1月14日 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうの砂を回収し、オーストラリア南部のウーメラ地区の砂漠で回収されたニュースは記憶に新しい。そのJAXAとヤマトホールディングス(ヤマト運輸のHD/YHD)が「空の新たな輸送モード」の実現に向け連携を始めた。両者が開発に取り組むのは、物流電動垂直離着陸機(物流eVTOL)に搭載する大型貨物ユニット「PUPA(ピューパ)8801」の空力形状だ。平易に表現すれば、物流eVTOL(ドローン)にぶら下げるコンテナ(の形)を開発している。JAXAは世界最速レベルの流体解析ツールをはじめ数値シミュレーション技術を用いて解析を実施、航空技術の知見に基づいた検証と形状改善提案を行う。コンテナの形状は、長距離トラックへの積載、配達員の使用するカートへの積載、そして物流eVTOLへの積載を考慮している模様だ。YHDは、2019年8月に米テキサス州で、ベル社が開発した自律運航型ポッド輸送機「APT70」に、自社が開発した初期型の「PUPA70XG」と呼ばれるコンテナの機能実証実験に成功したと発表している。同機は時速160kmをマークし、32kgの荷物積載が可能だった。新型機はその12.5倍、400kg(ゴルフバック1セットが約12kg程度)の積載を考慮している。「はやぶさ2」同様、「PUPA8801」がラストワンマイルに届ける未来の到着が待ち遠しい。

インテル系、東京でも21年に自動運転の公道試験 他

1月13日 CES2021が開催されている(米国時間1/11-14まで)。今回はオンライン上での開催となる。一年前、巷をあっと言わせたSONYの「VISION-S」のその後も気になる。CES2021における同社テーマは「明日の技術で未来を再定義する」だ。専用オンラインコンテンツでは、SonyがPlayStation5、VISION-S、Airpeak(初のドローン設計、フルフレームミラーレスカメラを搭載)、SPEは仮想製作技術やボリューム画像取得の進歩、BRAVIAなどが発表された。。SIEはPlayStationコミュニティの進化を、SMEIはアーティストとのコラボレーションを展示している。気になる「VISION-S」の安全性やエンターテイメントの進化はどうか。安全性の面では、人の視覚を超えるオーバルセンシング技術(CMOSイメージセンサを中心に計40個のセンサで継続監視)や、車両周辺を360度見渡せる運転支援(アダプティブクルーズコントロール、セルフパーキング、自動車線変更を備えた高精度のレベル2+ドライバ支援)、そしてドライバーの状態の監視(ToFカメラセンサがドライバの集中力や倦怠感を判断するため、ドライバの表情の把握やジェスチャーを判読、必要に応じてアラートを出す。また読唇システムによるコンテンツ表示やナビ運用など)の完成度が高まっている。エンタメとしては、没入型の3次元音場を車内体験出来る、360リアリティオーディオ(個別シートスピーカー)、コンソールと水平に配置されたパノラマスクリーンでは映画、ゲーム、ビデオコンテンツを楽しむことが出来、ドライバと同乗者がそれぞれコンテンツにアクセスできる。リモートプレイでは、自宅PS5から5Gで連携、車内でゲームプレイが可能だ。後席には10.1インチのスクリーンを備えた。L-スワイプジェスチャでは、前席パノラマスクリーンの画面をスワイプすると、後席のディスプレイに画面を渡すことも出来る。後席のセンターに配置されたジョグダイヤルやDualShockなども、同社の目指す「次世代のインタラクション、ドライバーが同乗者や車両自体を含む周囲の環境と自然に対話できる完全に直感的な体験を可能にすること」に寄与するに違いない。

NEC、5G技術による完全自動運転バスの公道実験へ 他

1月12日 2/15~28にかけて群馬県前橋市(前橋駅から中央前橋駅までの区間)で、一般社団法人ITCまちづくり共通プラットフォーム推進機構(TOPIC)、群馬大学、日本モビリティ、NECらが実証実験を行う(本実験は総務省の「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の委託を受けて行われる)。TOPICが全体統括と事務局を担い、群馬大学は前橋5Gの自動運転連携に関する技術分析評価と実装、横展開に関する検討を、日本モビリティは遠隔管制および自動運転システム(双方とも5G対応型)の提供、NECは技術統括、ローカル5G基地局・エッジコンピューティング・学習型通信品質予測技術及びメディア送信制御技術の提供、多地域実証推進を担う。キャリア5G基地局は、NTTドコモが提供、車両は日本中央バスが提供する。なお、前橋市は本実験に際し「マイナンバーカード」とスマホを使うか、市役所1F窓口で事前登録をした後、自動運転バスを含めたシャトルバス乗車時に顔認証を行うことで、期間中無料乗車できる「MaeMaaS実験」を並走させる。*こちらの実験は上記区間にけやきウォーク(JR前橋駅~けやきウォーク間は土日限定)が含まれる。*ローカル5Gは、通信キャリアによる全国向け5Gサービスとは別に、地域の企業や自治体等の様々な主体が自らの建物や敷地内でスポット的に柔軟にネットワークを構築、利用可能とする新しいシステムのこと。

東急、MaaSで狙う定期券の復活 飲食・映画の割引も 他

1月8日 コロナ禍により、東急の沿線通勤定期対策に火が付いた模様だ。東急電鉄の「2021年3月期 第2四半期決算短信」を拝見すると、交通事業では、東急電鉄㈱の鉄軌道業における輸送人員は、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う利用者の減少に伴い、定期で36.6%減少、定期外で41.2%減少、全体では38.4%の減少となった(*前期比など詳細は同資料を参照ください)。営業収益は、695億4千4百万円(同35.4%減)、営業損失は、121億8千7百万円(前年同期は、204億1千8百万円の営業利益)である。同社は対策として「DENTO LINE公式アカウント」と定期を活用し、高速バス・飲食・娯楽などを割安で利用できる実証(「DENTO(デント)」)を始める。視点を新たにすれば定期利用客は、自社サービスの根幹となる交通事業の優良顧客だ。しかし、急激なテレワークの普及に伴い、出勤日数に即した通勤費精算に切り替える企業も少なくない。定期利用の離脱を食い止める必要がある。同社は定期の利用シーンを通勤経路から拡大、利用者の生活環境における定期の活用を模索する。この話題は東急に限らず、全国の都市圏の鉄道事業者に当てはまる。交通インフラ事業部の森田課長は、定期券保有者の優遇サービスを「生活定期」と呼んだと聞く。的を得た言葉だ。

西武、自動運転の大型路線バス。通常の路線バスと同じ運行形態 他

1月7日 西武バスは、2月から西武池袋線飯能駅南口と美杉台ニュータウン(片道2.5km)を結ぶ営業路線で、大型バスによる自動運転の実証実験を始める。大型バスによる営業運行による実証実験は、2019年9月に相鉄バスが群馬大学などと、よこはま動物園ズーラシアと里山ガーデンを結ぶ(900m)路線で「レベル4」に向けた実証実験を行っている。その後、2020年10月に日本モビリティ㈱を加えた3者が同路線で遠隔監視・操作による自動運転の実証実験を営業運行で実施している。国立研究開発法人 産業技術総合研究所においても、実証コーディネーターとして日本工営、バス開発コンソーシアムに先進モビリティ、いすゞ自動車を採用、2020年度から中型自動運転バスによる実証実験が、全国5事業者、5ヶ所にて行われている(京阪バス、神姫バス、西日本鉄道、茨城交通、神奈川中央交通)。群馬大初のベンチャー企業、日本モビリティ―㈱は、自動運転車両が走りやすい街づくり、国内最大数の行動実証実験で蓄積した自動運転システムや路線環境に適した自動運転車両の提供、また住民やステークスホルダーなど社会受容性を高め、安全性を適切に確保した上で「目的に沿った評価項目を設定した」評価を行うなどの実証実験のコーディネート、損害保険の提供などを行う。同社は既に社会実装のためのノウハウをパッケージ化している。その意味で、自治体への無人移動サービスの導入は、現段階で既に実証実験を経て商用化の段階に入ったと言えるだろう。

JR九州、自動運転の営業運転スタート!将来は「GoA2.5」の形態目指す 他

1月6日 昨年末の12/24から、JR九州の香椎線で自動列車運転装置実証運転が開始された。この路線の保安方式は、ATS-DK方式(車上DBの情報から自動的に速度監視をし、制限速度を超え非常ブレーキを動作させなければならない速度になった場合、非常ブレーキが動作)と呼ばれ、ATS(列車が信号で正常に停止しない場合、地上から制御信号を送り警報ベルを鳴らし、運転士に注意を喚起、警報を無視すると自動ブレーキが動作)設置路線での、初の自動運転方式となる。JR東日本が自動運転を試みる千代田線にはATO方式(ATCを基本に発車、定時運転制御、定位置停止制御などの機能を追加、新交通システムや地下鉄などの導入が多い)が使われる。これ以外にも、新幹線や大都市の通勤線区、地下鉄などにはATC(レール上の信号や列車速度を常時比較、超過すれば自動ブレーキ、制限速度以下の場合はブレーキを緩める、信号機は車上)方式が用いられている。実証実験は当面運転士が乗務した状態で行われる。GoA(IEC(JIS)による自動化レベルの定義)でGoA2に当たり、ゆくゆくはGoA2.5を目指す。踏切を含むATS区間における「初の有人の自動列車運転装置(ATS-DK)」は、JR九州にとって、運転士養成(動力車操縦者運転免許取得)費用の圧縮、ヒューマンエラーや異常発生時における安全性の向上の意味もあり、同時に将来的に「有望な」技術ともなる。

逆境バネに奔走するトヨタの自負、有事の時こそ「国家」「社会」のために 他

1月5日 トヨタのCEOでもあり、日本自動車工業会の会長でもある豊田章男氏は、昨年末(12/17)に同会の会長として日本が2050年までに達成を目指す「カーボンニュートラル」について次のように述べている。「自工会として全力で貢献するが、国のエネルギー政策に手を打たないと、モノづくりを残し、雇用を増やし、税金を納める自動車業界のビジネスモデルは成り立たなくなる」。気になる言葉だ。EVの生産規模拡大を図る各社にとって、質の高いリチウムイオンバッテリーの確保(資源確保とライフサイクルの負荷低減)、バッテリーを動かす電力(電力システムとの連携)と給電インフラ(利便性の確保)の確保は「カーボンニュートラル」達成のための根幹を成す課題だ。電力中央研究所による「電中研ニュース(No.433)」によれば、仮にPHEV(プラグインハイブリッド車)が、2000年の日本の全登録車両と同数の8,000万台普及した場合、その充電に必要な電力は96km電気走行可能なPHEV(PHEV96)で年間793億kWhになると試算されている。ちなみに約8,000万台にPHEV96が普及した場合、必要となる電力量年間793億kWhをすべてLNG火力で供給した場合、CO₂削減量は約0.6億トンで、これは2000年の自動車からの総排出量(2.6億トン)の23%に相当する。かような効果を得るには、国のエネルギー政策が重要だ。国は「カーボンニュートラル」の実現に向け、電化の促進、電源の脱炭素化が鍵となる中、再生エネルギーの最大限の導入を図ろうとしている。自然条件により変動する出力への対応、再エネ適地から需要地に送電するための送電網整備、電源脱落等の緊急時の安定性の維持、自然・社会制約がある中での案件形成、国民負担の抑制など、なすべき課題は多い。