JR東日本がNFCタグ乗車実験、MaaS事業強化とSuica等よりも低コスト導入を見込む 他
9月16日 JR東日本は 9/16(木)~11/30(火)まで、東京の品川・田町~お台場エリアを走るお台場レインボーバス(運行:kmモビリティサービス)で、NFC(近距離無線通信)タグを用いた料金の収受の実証実験を行い、MaaS事業の強化、現行のSuicaよりコスト削減を狙う。NFCは、SuicaやPASMOなどのICカードに用いられている技術で、元はソニーの「FeliCa」(非接触ICカード技術)だ。1枚のカードにICチップとアンテナを搭載し、対応するリーダー/ライターにかざすことで、カード内のデータの読み書きが出来る。カード内には、フォルダとファイルに相当する機能があり、1枚のカードに複数のサービスを盛り込むことが出来る。社員証の例を挙げるなら、入退室ID、PCログイン、電子マネーなどのサービス、公共交通などの乗車券や、飲食店や小売店などでは、ポイント・クーポンなどのサービスも付加できる。ISO/IEC 15408 EAL5+以上を取得。カード内のバリューや電子マネー、個人情報などの資産を悪質な攻撃から守る高いセキュリティーを備える。また「FeliCa」技術は、携帯電話やコイン型トークンなど、カード以外にも搭載可能でキーホルダーや腕時計などにも組み込むことが出来る。今回の実証実験では、JR東日本のMaaSアプリ「Ringo Pass」(をインストールしたスマートフォン)のNFCリーダーモードで、バスの運賃支払い箱上部に設置された「Ringo Pass」(s-Touch)マークにタッチすることで乗車が可能になる。「Ringo Pass」のアプリ地図上のバス停を選び、「タッチで乗車する」ボタンを押す。その後、乗車人数を選び、「タッチする」ボタンを押すと、前述のNFCリーダーモードが起動する。従来の交通系ICカードでは、1枚(1台)で複数人の乗車は難しかったが、本実証では1タッチ化され、乗車時間の短縮・バス運行ダイヤの定時制の確保にも貢献する。運賃の支払いは月2回、「Ringo Pass」に登録したクレジットカードから行う。NFC(近距離無線通信)技術は、6/22~1ヶ月間行われた京浜急行、京急バス、NTTドコモが横須賀・三浦エリアを訪れる観光客らを対象に行ったMaaS実証実験の「みうらよこすかMaaS」アプリ内で、デジタルチケット(「デジタルみさきまぐろきっぷ」)を購入すると、京急品川~三崎口間の全駅の改札や地域の参加店などで、非接触のキャッシュレス決済手段として採用されていた。NFCを利用したキャッシュレス化が広く、交通分野を含めた地域経済に普及してきていることを実感する。交通事業者にとっても、従来の決済システムより導入コストが削減でき、工夫次第では、地域経済との連携も視野に入れた様々なサービス付加し、自社のMaaSアプリの普及や、利用者の利用状況データなどの蓄積にも利用できる便利なツールとなるのではないだろうか。
