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日産、福島・浪江町でオンデマンド配車サービス「なみえスマートモビリティ」実証実験開始 他

11月5日 緊急事態宣言の解除後より、各地で観光需要復興を兼ねたMaaSの実証実験の動きが続く。ほぼ、ひと月前となる10月14日、第100代内閣総理大臣として衆議院及び参議院の本会議で指名された岸田首相のエネルギー政策は、原子力規制委員会の新基準を満たした原子力発電所は再開すべき、だ。就任早々10月16~17日にかけて岩手県、宮城県、福島県の3件を視察した。福島入りしたのは17日だ。同日のTwitter、@kishida230を拝見すると「この週末は、東日本大震災の被災地を訪問してまいりました。#車座対話では、大変貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。東北の復興なくして日本の再生はありません。これからも被災地の皆さんの心に寄り添い、そして現場の声をお聞きしながら、復興にしっかり取り組んでいきます。」とあり、首相官邸(@kantei)は「福島県を訪問しました。福島第一原発の着実な廃炉やアルプス処理水に対する風評被害対策に、引き続き万全を期します。また、ふるさとに帰還された方や新たに移住された方の情熱に触れ、福島に新たな魅力や雇用が生まれていることを体感しました。今後も生業の再生、新たな事業創出を支援します。」としている。福島民報によると、首相は福島第一原発を視察し放射性トリチウムを含んだ処理水について「多くのタンクが並んでいる姿を見て、先送りできない重要な課題だと痛感した」とコメントしている。処理水の海洋放出について、県民や地元水産業、周辺国、諸機関との調整に配慮する政府の様子が伺える。また、エネルギー政策に関しては「再エネ一本足打法では価格や安定供給の観点で十分ではない。複数の選択肢が求められる」として原子力発電の必要性についても言及、原発事故に伴う帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域については「2020年代に希望者の期間を目指す政府方針に基づき、帰還に必要な箇所の除染、地域コミュニティーの再生に取り組む」考えを表明している。日産自動車は11月1日より、浪江町において、オンデマンド配車サービスの実証実験「なみえスマートモビリティ」を実施する。同社は本年2月に浪江町、双葉町、南相馬市と同社を含めた全国8企業で「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を締結、新たな移動手段の構築、再エネ利活用による低炭素化の取り組み、コミュニティの活性化と強靭化の領域において協業する。今回の実証期間はおよそ2ヶ月、アプリ上に約120箇所の乗降ポイントを設け(2020年度の実験では8箇所)、アプリも迷わず目的地の選択が出来るよう検索機能を改善して臨む。移動サービスの利用時間は、木曜、金曜は21時まで延長、長時間・夜間運行を行うことで地元飲食店をサポートする(前回は19時までだった)。またAIを本格的に活用、固定ルートでなく、出発地から目的地への効率の良い移動を目指す。参加費は無料。利用登録は、(https://www.smamobi.jp)から行う。浪江町のホームページによると、現在も「帰還困難区域」として13区域が残る(*避難指示解除準備区域および居住制限区域は、平成29年3月31日に避難指示が解除されている)、観光MaaSと言える至るまでは、今しばらく時間が必要と言えるのかも知れない。浪江町ガイドブック「浪江町 0からの挑戦」には、「道の駅なみえ」を始めとするいまの町の人々の姿が生き生きと紹介されている。浪江町に息づく伝統・文化の灯は消えていない。移動サービスの本格化と主に帰還困難区域の早期縮小の進展を願う。

NEDOなど 公衆広域通信利用の自動運転実証を開始 他

11月4日 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが、11/2に公衆広域通信利用の自動運転実証を開始した。NEDOが管理法人を務める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/自動運転(システムとサービスの拡張)」で、関係機関22機関が東京臨海副都心で実証実験を行うと発表した。実証実験の期間は2021年11月~2022年3月まで。V2N(公衆広域ネットワーク)からの信号、気象、交通規制、道路交通情報などを自動運転に活用する手法を検証する。SIP第2期は、すべての人が安心・安全に移動できる社会の実現に向け、自動運転の普及・拡大を図る。これにより交通事故低減、渋滞の削減、交通制約者のモビリティ確保、物流・移動サービスのドライバー不足の改善、コスト低減などへの貢献を目指す。現在、継続して行われている東京臨海部実証実験は、「交通環境情報」を活用したインフラ協調型の自動運転の実現を目指し、2019年10月~臨海部の一般道に信号情報提供用のITS無線路側機、高精度3次元地図など、首都高に合流支援のためのセンサーなどインフラを整備、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学、ベンチャー企業などの参加を得て継続的に行われて来た。2021年度はこれまで整備してきた高精度3次元地図情報、狭域通信(V2I)による信号情報、合流支援情報の配信などに加え、V2Nにより多様な「交通環境情報」を車両へ配信する実験を行う。このV2Nを利用した「交通環境情報」の配信とは、車両プローブ情報(走行車両から送られてくる位置情報や交通情報)を活用した車線別渋滞、交通規制、落下物情報など他の事業者が有する情報、気象、緊急車両、事故車に関する情報、V2Iを通じ配信した信号情報などを車両に配信することを指す。また同実験では自動運転車の走行経路計画の判断や、ODD判定、注意喚起につながる中広域の「交通環境情報」を生成、V2Nで配信し、車両の安全走行への「有効性」を検討する。実験参加者(大学を含む、上記の22機関)は、実証実験用の自動運転車とドライバーを準備し、実験データの取得や実験結果の報告などを行う。SIPのホームページ(https://www.sip-adus.go.jp/fot/fot01_05.php)には、東京臨海部実証実験における自動運転車の走行計画(令和3年10月26日更新)やデータ取得場所(実験車両が走行する地域)、実証実験を行う参加者と車種などが掲載されている。平日が多いがご興味をお持ちの方は現地に行くと実験車両に出会えるかもしれない。え、現地で雨が降るかも知れない?ご心配なく。6時間先までなら、https://www.halex.co.jp/service/api/experience.html で予測も可能だ。

MITの研究者による自動運転の水上タクシーが、アムステルダムの運河で初航行 他

11月2日 沖縄県内の各地の海岸に大量の軽石が流れ着いている。今回の軽石は8月に起きた小笠原諸島の硫黄島付近の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火(8/13-15にかけ、海底噴火。噴煙高度は最大で16,000m、マグマの噴出量はおよそ3億トンから10億トンに達したと推計される)が原因とみられる。10/28の琉球新報によれば、41市町村の調査で、11市町村で漁港内に軽石が流れ込むなどして、被害が拡大している模様だ。具体的には、船舶が出漁できない、漁船のエンジントラブルが相次ぐ、漁港内のスロープ(船台上の船を水面に揚げ降ろしするために港内などに設けられた、平面の坂)に軽石が堆積し、出漁できない、ビーチの営業期間を短縮・前倒しして終了せざるを得なかった、遊泳不能、船舶のフィルターが目詰まりを起こす、釣り客の足が途絶える、いけす内の養殖魚類の大量死などの被害が起きている。マリンスポーツや旅客船・観光船にも同様の被害が予想される。一部自治体では、ショベルカーで軽石の撤去を始めたり、オイルフェンスを展開して、漁港内への流入を防ぐなどの対策が始まっている。政府は29日港湾や漁港の被害について国の災害復旧事業で支援することを決めた。環境省の補助事業を活用する。気象庁では衛星画像や海流の情報をホームページで公開している(「福徳岡ノ場の軽石漂流の関連情報」https://www.jma.go.jp/jma/menu/R03_karuishi-menu.html)。オランダにある運河の街、世界的な観光都市でもあるアムステルダムで、MIT(マサチューセッツ工科大学)コンピュータ科学・人工知能研究所とセンサブル・シティ・ラボラトリーが自律航行するロボットボートを進水させ試験航行を行っている模様だ。このロボットボートは「ロボート(Roboats)」と呼ばれ、乗員5人が乗船できる程度の大きさがある(「ロボート」航行の様子を記録した動画:https://roboat.org)。開発チームは廃棄物の回収や商品配送などの作業に利用できると考えているようだ。船はバッテリー駆動し、ドック(船渠)にいる間にワイヤレス充電ができ、10時間程度の運航が可能なようだ。LiDARとカメラを駆使して360°の視界を持ち、GPSを利用して自律的に安全な進路を決定し、障害物の回避も可能だ。認識機能、ナビゲーション、制御システムの精度と信頼性が向上し、ラッチング(接岸)も可能な近接接近モード、自動船位保持システムなども導入されているという。もちろん、沖縄の近海はアムステルダムの運河のように波穏やかではない。制御問題なども出てこようが、「ロボート」の船体は小型で、船底も深くない。船の舳先に軽石の回収装置とガードを施し、推進装置が軽石を吸い込まない様、上手く工作出来れば、比較的水深の浅い港湾やビーチ近辺でも、小回りが必要な作業が可能ではないか。運搬できる軽石の量は限られるが、船舶自体の数や作業時間を増やすことで、ある程度の回収量は見込める。軽石の流れ込んだ漁港や軽石接岸中のビーチにおける大量の軽石の除去作業は、ロボットボートの活用の可能性を広げる実験フィールドにならないか。沖縄県では、5日、沖縄本島の中部にある読谷村(よみたにそん)で採取した軽石の成分を分析した。カドウミウムなどの有害物質が、国の定める土壌環境の基準値以下であったことを明らかにしている。さらにほかの地域の軽石も分析し、安全性を確認できれば、農業や土木資材への利用を検討している。

AOSデータ社、TMI総合法律事務所 戸田 謙太郎氏を講師に迎え、第22回オンラインセミナー 《企業のレピュテーションに重大な影響を与える企業不祥事》 を配信

2021年11月2日AOSデータ株式会社 AOSデータ社、TMI総合法律事務所 戸田 謙太郎氏を講師に迎え、第22回オンラインセミナー《企業のレピュテーションに重大な影響を与える企業不祥事》 を配信 クラウドデータ、シス […]

「顔パス」で手ぶら観光…富士五湖でMaaSの実証実験 他

11月1日 昨日、東京都調布市を走行中の京王線の特急列車内で殺傷事件が発生した。本年8月に発生した小田急線での殺傷事件と合わせ、公共交通機関全般での犯罪防止対策が求められる。有人運転の交通機関に限らず、今後、全国各地を走行・飛行・航行するであろう自動運転方式の公共交通機関にこそ、だ。列車が国領駅に緊急停車した際のドア扱い(規則に従い、本来の停止位置でない場所で非常用ドアコックが操作されたことから、車両の機能上、列車を動かすことが出来ず、また、車両ドアとホームドアの位置がずれていたため、当初は転落のリスクなどを考慮して開扉操作が行われなかった)などが報道されているが、ドア操作以前に、今後、乗車時のセキュリティ・チェックや車内の状況把握、適切なリアクションについても、議論が深まることと思われる。公共交通機関に関連する技術で、鉄道だけに限らず、自動運転方式の公共交通機関も範疇に入れた対策が求められる。羽田空港などでは、チェックインの際、自動チェックイン機で搭乗手続き後、手荷物を預けることになるが、ナイフやハサミ類、先の尖ったものバット類(スタンガン含む)などは持ち込めない。また高圧ガス、引火性液体、可燃性物質などの持ち込みも禁止している。搭乗口に向かうルートにはセキュリティゲートが設置され、乗客は手荷物検査(X線検査装置)とボディチェック(金属探知機を通過)を受けることになる。ここでは身に着けている金属類(携帯電話、鍵、小銭など)、ノートPCなどの電子機器類、ペットボトルや水筒などの液体物はトレイに載せ検査台を通過させる。コート、スーツの上着、ジャケット類は予め脱いで検査を行う。搭乗口では自動改札(BGR:ボーディングゲートリーダー)を通過するが、ここでも爆発物検査装置、X線手荷物自動検査装置によるチェックが行われている。もちろんこれら全てを日常生活圏である鉄道駅やバス・タクシー乗車時に行うことは現実的でないが、幾つかのポイントについては技術的に補うことも出来る。乗降ポイント間が長い公共交通機関に乗る前には、空港に準ずるセキュリティシステムやフローの標準的な導入が早期に検討されるべきだろう。乗車・搭乗・乗船前の事前チェックが難しい場合、陸上における最終的な防衛ラインは、移動中でも操作可能な「非常停止ボタン及び非常用開扉装置」だ。「乗り物を止め、乗客を危険から退避させる」ことが出来れば、被害減少が見込める。鉄道では、踏切やホーム、車両内に「非常停止ボタン」に類する装置が、一部のバスには「ドライバー異常時対応システム」が乗客スペース、運転席などに設けられている(*参考:https://www.hino.co.jp/blueribbon_rainbow/safety-maintenance/index.html#safety-main)。これらは紙媒体による設置場所の告知から一歩進め、操作説明コンテンツなどを車内モニターなどで常時流すなどの対策もあろう。遠隔にある指令所や監視センターや乗客の手許にあるスマートフォンなど、緊急時における停止装置・消火装置の操作連動なども可能ではないか。東急線では、車内の蛍光灯部分に後付け可能なカメラの設置を進めた(参考:https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20191106-1.pdf)。MOYAI社のLED一体型高機能ネットワークセンサーは200万画素の高解像度高視野角カメラの他、非映像モーションセンサー、3D加速度センサー、温度・湿度センサー、照度センサー、集音センサーなどが搭載され、WiFi/4Gによるデータ転送機能が備わり、新製品には4K魚眼カメラセンサー、内蔵されたSDカードに動画を録画保存、Wi-Fi回線を利用し遠隔地よりリアルタイムストリーミング、双方向通話機能ほか、煙感知センサー、CO2センサーなどの機能も見られる。非常時には乗客の挙動が平時と大幅に異なるため、画像解析や顔認証技術を用いた運転席、車掌室を始めとする指令所や監視センター、警察や消防など関係諸機関への通報・サービス運営者側でのリアルタイムでの状況把握なども想定できる。「安全・安心」が大前提である公共交通機関。自動運転の時代においても、これに携わる「ヒト」が起こす可能性のある事件や事故においても、早期にデータベース化・解析が行われ、予防・低減させる取り組みが求められる。

デジタルチケットの予約や購入がスマホで一括「仙台MaaS」30日からサービス開始 他

10月29日 仙台市では10/30(土)~「仙台MaaS」を始める。仙台市は、昨年11月に、JR東日本とともに「TOHOK MaaS 仙台・宮城 Trial」にも取り組んでいる実績がある。実施エリアは宮城県内、交通系のデジタルチケット拡充、MaaSネットワークにオンデマンド交通を追加するなどしていた。当時は2021年に開催される予定だった東北デスティネーションキャンペーンに繋ぐことも目的とされ、JR東日本の「Ringo Pass」会員も登録なしで利用可能としていた。決済に関してはクレジットカードや「モバイルSuica」での決済を実現していた。オンデマンド交通をネットワークに組み入れたことで、地元の店舗や施設における客足の確保にも貢献した。課題としては、オンデマンド交通への誘導や予約、チケットの見せ方などが改善点としてあがっていた。目的は観光需要と地域の移動需要を満たすことだった。では「仙台MaaS」の目的とは何であるか?仙台市においては、交通分野に加え、まちづくりや環境、DX推進など幅広い分野に亘る重要施策であり、非接触決済が可能で新型コロナウイルスなどの感染症対策の観点からも有用性が期待されているようだ。まずはスモールスタート。まちの賑わい創出、仙台都心の回遊性向上を目指すが、段階的には他分野との連携も推進する。プロジェクトのターゲットは「都心を回遊しやすい方」を想定している。このため、市民のMaaSに対する認知度の向上と関心の醸成に取り組む。おすすめコースやスポットの紹介、ポスター、チラシ以外にもWebメディア(「せんだいマチプラ」)やSNS(Instagram)を活用した広報、Twitterのインフルエンサー「YUITO」氏などとも連携する。Webサービスとなる「仙台MaaS」は、主に「仙台ポータルサイト」と「チケット販売サイト」からなる。アプリダウンロードも不要だ。チケット購入は「仙台MaaS」内で完結させるため、クレジットカード情報の入力と、利用時は移動する交通機関の運転手や施設窓口にスマホの画面を提示し利用する。コースは全10コース、街中5コースと秋保(あきう)温泉、愛子(あやし)、仙台港などだ。同時にポータルサイトではサービス提供開始時点だけで、街中を中心とした全86スポットを紹介する。同市の観光サイト「せんだい旅日和」の情報を活用したり、Webメディア「仙台マチプラ」のおすすめスポットを掲載する。今後は、利用実績の検証や検討を踏まえつつ令和4年度も継続してサービスを提供する計画だ。JR東日本のえきねっと(https://www.eki-net.com/)の「えきねっとトクだ値」では、列車/座席/区間限定の割引きっぷを発売中だ。東京-仙台(通常価格:\10,890/「やまびこ乗車の場合」)は、期間限定(設定期間:2021年4月1日~2021年12月15日)でお先にトクだ値スペシャル20日前[※]までのお申込みなら、50%OFF!で¥5,440となる。[※] 1時50分まで。発売期間最終日がシステムメンテナンス日の場合は、その前日の23時50分まで(詳細:https://www.eki-net.com/top/tokudane/pdf/price/shinkansen/osakini_sp_yamabiko.pdf)。今秋しか会えない仙台へGO!だ。

茨城県内の交通手段をアプリで便利に利用しよう-茨城MaaSが本格始動。まずは2地域で先行販売開始- 他

10月28日 秋山明浄にして粧うが如く(中国の北宋時代の山水画家「郭熙」臥遊録より)、秋の澄んだ空気と山々が紅葉で装う様が、生き生きと表現されている。この秋、自治体が主体となるMaaSや実証実験も「山装う」が如く活況を呈しているようだ。「茨城MaaS(https://ibarakimaas.jp/index.html#Ticket)」は、11/6(土)から龍ケ崎エリア・水戸エリアにおいて、参加する地元事業者とチケットなどの販売を始める。第一弾として、龍ケ崎と水戸エリア分から先行販売を始める。県内の交通事業者(茨城交通、関東鉄道、関鉄グリーンバス、関鉄パープルバス、関鉄観光バス、ひたちなか海浜鉄道、みちのりホールディングス)が参画する。龍ケ崎エリア11/6から販売が予定されているのは、関東鉄道竜ヶ崎線1日乗車券など4種類のチケット、鉄道・コミュニティバス・路線バスの1日乗り降り自由チケットにコロッケ店200円割引券・沿線店舗クーポン券がセット。水戸エリアでは、水戸漫遊1日フリーきっぷ、水戸駅周辺を運行する路線バスが1日乗り降り自由(店舗の割引サービスが受けられるクーポン券付)。順次、販売予定となるのは、高速バスの片道チケット(関東やきものライナー、勝田・東海-東京線、太田・大宮・大子-東京・新宿線、茨城空港線)だ。「茨城MaaS」は、ジョルダンの「乗換案内」を採用、アプリ上で上記の商品販売を行う。支払いはクレジットカードの他、QRコード支払いなどにも対応している。購入したチケットはスマホ画面上にチケットが表示されるので、バスや鉄道の乗車時に運転手や係員にチケットを提示するだけで良い。システム上でも、新型コロナ感染症防止のため、非接触が実現されており安心だ。「茨城MaaS」は専用アプリやWebページへのアクセスではなく、ユーザーが普段から使い慣れているアプリやWebサービス上で商品購入が出来る仕組みを構築しているのが特長だ。地域の交通事業者がMaaSに参入する際の手間やコスト削減まで念頭に置き、上記の仕組みを実現させるため、商品販売に必要なデータ(運行情報・価格、在庫情報、チケット発券・管理、料金精算、店舗情報)を提供する仕組みを地域MaaS基盤として構築している。今後、県内などの交通事業者(レンタカー、カーシェア、シェアサイクル事業者なども含め)がMaaSに参加しやすいよう、運行データなどは標準的なフォーマット(GTFS準拠方式)でオープンデータとして提供している。また11/6(土)~12/5(日)まで、龍ケ崎MaaS推進協議会は「茨城MaaS」と連携し、「龍ケ崎MaaS実証実験」を発表している(「龍ケ崎MaaS推進協議会」参考:https://www.fss.jp/ryugasaki-croquette/)。「龍ケ崎MaaS」も同様に「乗換案内」による交通チケットの販売・利用を試みる。チケットのラインナップは、竜ヶ崎線の1日乗車券(600円)、竜ヶ崎線+龍ケ崎市コミュニティバス1日乗車券(1000円)、竜ヶ崎線+龍ケ崎市内路線バス1日乗車券(1100円)、竜ヶ崎線+市内コミュニティバス・路線バス1日乗車券の4種類となる。チケットには龍ケ崎名物「龍ケ崎コロッケ」の200円割引券・市内店舗(*サービス提供店:26店)のクーポン券が付く。また電動三輪バイク「GOGO!カーゴ」のレンタルが出来る(*要:普通免許/Future株式会社/貸出場所:竜ケ崎駅前*要事前予約)。同時に「駅からハイキング」や「ビール祭り」などのイベントにも参加できる。*チケット販売については2022年3月31日まで継続。同協議会は、本実証実験に係る費用(電動三輪バイクのレンタル費用およびPR費用)をクラウドファウンディングで募る。金額目標は100万円で「マイカーに依存しない新しい移動のカタチ」と題し、龍ヶ崎市のまちづくりや商業観光振興に貢献するため、新たな移動手段の導入を目指すプロジェクトとして発信していくという。本プロジェクトは㈱CAMPFIREが運営するクラウドファウンディングサイト「CAMPFIRE」(https://camp-fire.jp/projects/view/489191)にて10/15から公開を開始、11/5まで支援を募集する。

【札幌観光バス】大型バス運転体験ツアーを開催 他

10月27日 札幌市にある「さっかん」こと札幌観光バスは、10/16(土)に日帰りバスツアー「夢がかなう時♪大型バス運転体験と札幌観光バス車庫めぐり」を行った。企画が秀逸なので、紹介させていただく。近年、運転体験系のイベント企画は、運転シミュレーターの発達や交通事業者(鉄道や航空会社など)のイベントで数多く見られる。「碓氷峠鉄道文化むら」の実物の電気機関車を用いた運転体験や、浅草東武ホテルの「東武鉄道 運転シミュレータールーム」の宿泊プランなども報道などで取り扱われた企画だ。「さっかん」の運転体験企画は「桁違い」だ。美唄市にあるJR北海道茶志内(ちゃしない)駅と、石狩川に挟まれた農道離着陸場「美唄スカイパーク」(APR:N43°23’15”、E141°51’46)の開場は1997年。当初、仙台空港経由で仙台市の周辺、およびトラック便を使い東京方面に農産物を運んでいたものの、採算面から農産物の航送に使われなくなり、現在はオーナーズパイロットの訓練やモーターグライダーやスカイスポーツの練習場、イベント会場、防災や救急医療輸送の中継基地などの役割を持つ。12/31-3/31までは冬季閉場となる。「さっかん」は同農道離着陸場を運転体験会場として借受け、広大な滑走路(800m×25m)において大型バスを走らせるという「破格の体験」を実施、離着陸場は公有地であるため、全国から集まった参加者は普通免許で運転体験を実現することが出来たとのことだ。現在、同離着陸場の管理会社であるピートエアのホームページを拝見すると、入場料等を徴収する行事、展示会等の会場としての使用の場合、貸切の料金は営利目的の場合で、30,800円/時間(詳細:https://petair.us/bibaiskypark_price)だ。昭和39年に設立された「さっかん」のホームページを拝見するに、その企画力はずば抜けており50年以上に亘って、同地の観光需要に貢献してきた企業の観光や移動ノウハウの蓄積を感じる。同社は同じく今年の10/11に「バスガイドと行く北海道の旅 by 札幌観光バス」と題して、バスガイドによる音声メディアでの情報発信にも取り組み始め、バス旅行の需要喚起を狙う。道内旅行で観光バスを使った旅行者は、道内観光客が1.1%、道外観光客が16.2%、外国人観光客が34.8%(2019年度北海道来訪者満足度調査/2020年3月 公益財団法人北海道観光振興機構)と少数派だ。一方メディア市場は、20-30台のユーザーがポッドキャストユーザー全体の50.8%を占め、若年層に拡大している。番組は旅行計画を立てる際や、自家用車やレンタカーで観光地に向かう際車内で聞く、または観光地で徒歩で観光する際などに聞くことが想定されているという。昨日もMaaSアプリの定番機能について語ったが、地域の移動・観光情報に誰より知見のある「バスガイドによる」音声コンテンツがプラスされれば、量産型MaaSアプリの域を脱し、旅行者に豊かなコンテンツや旅行体験を提供できると思う。ちなみに「バスガイドと行く北海道の旅 by 札幌観光バス」は開始時に12本のコンテンツを用意、以後は月2本程度の配信を予定しており、スマホやPCでApple Podcast、Googleポッドキャスト、Spotify(https://open.spotify.com/show/3moDtuiH6lRiYNhBZw3baC)、Amazon Musicなどで無料配信される(*データ量は課金されます)。MaaS市場における「デジタルでの情報発信」は、経営難であった地域の交通事業者を大手旅行者やメディアと肩を並べる「移動や旅行に関するコンテンツホルダ」に変化させ、事業者の経営に一筋の光をあてる可能性がある。

めぐって 遊んで トクして 南大沢を楽しもう!南大沢でMaaS等の実証実験を行います 他

10月26日 東京都では、八王子市、東京都立大学、京王電鉄、三井不動産と南大沢の地元企業と協力し、10/25(月)から南大沢で電動のシェアサイクルを含むMaaS等の実証実験を始めると発表した(https://minamiosawa-tanoshimou.com)。期間は令和3年11月1日(月)~令和4年1月31日(月)まで。実験は、京王電鉄相模原線「南大沢」駅周辺地区で行われ、スマホ用のWebサイトやアプリ(「TAMa-GO」)で各種チケットを購入、または参照することが出来る。鉄道やバスに加え、八王子市と連携し設置したシェアサイクルなど、複数の移動手段を組合せ、11月中は南大沢駅周辺の店舗と対象エリアの4つの公園(富士見台公園、上柚木公園、長池公園、小山内裏公園)と連携したイベントも実施、南大沢駅を中心とした半径1.5km程度の対象地域「まち」の回遊性や賑わいの創出効果を高める。購入できるチケットは2種類。「南大沢お買い物チケット」と「南大沢周遊チケット」だ。前者は電車での移動と買い物を、後者は南大沢周辺で路線バスと電動シェアサイクルを使った周遊を想定したものだ。地元の商業店舗や駅周辺の公園と連携したWebスタンプラリーを展開しつつ、スマホカメラを通じてARマップ(*AR/拡張現実のこと)を提供したり、スマホ専用アプリ「The TIMESALE」のスーパーや飲食店、ドラッグストアなどのタイムセールス情報を提供しながら、参加する対象者の行動変容についても考察する。また、本実証実験では、南大沢駅前に428,041.26 ㎡の広大なキャンパスを持つ東京都立大学の学生が作成したデジタルマップにより地域の公園や神社等のスポットが紹介される。南大沢スマートシティ協議会のホームページも、座長を務める東京都立大学の清水哲夫教授により運用開始が宣言されている。南大沢地区は5Gと先端技術を活用した分野横断的なサービスの都市実装を実施する「スマート東京」の先行実施エリアの一つ。先端技術の研究とICT活用を図りながら、持続可能なスマートシティの確立を目指している。プロジェクトには上記の他、イトーヨーカドー、㈱多摩ニュータウン開発センター、南大沢協力の会、NTTドコモ、KDDI、JTOWER、SOFTBANK、NTT東日本、UR都市機構、BOLDRY、HELLO CYCLE、FUJITSU、ベスプラなどが参画している。本実証実験で隠れた目玉とも言えるベスプラ社の「The TIMESALE」。店舗で企画される旬のタイムセールを店舗の近隣に居まい・移動し・働く人などに配信する。例えばドタキャンで余った商品、新商品のお試し&レビュー、誤発注により大量に仕入れてしまった商品、商品の入れ替え、在庫整理、雨の日割引、感謝祭・地域向け還元セール、キャンペーン告知など、お店で売りたい商品をタイムセールで捌くことが出来、食料品店や飲食店などでは「フードロス」低減にも貢献し、消費者のお財布にも優しい。MaaS的観点に戻れば、利用者の行動変容を促すツールと言える。まさに都立大のデジタルマップや、利用者分析ツールなどとも連携できるなら、今後はデジタルチケットやクーポン、スタンプラリーなどとともにMaaSアプリ中の定番機能の座を確たるものに出来るかもしれない。*本記事のアイコン画像は以下の著作物を改変して利用しています。「長池公園(https://www.city.hachioji.tokyo.jp/citypromotion/gallery/others/p202042.html)」、八王子市、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 4.0(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja)