収集したマイナンバーの保管・管理を行ううえで、必要となるのがデータ管理です。安全・確実に管理を行うと同時に、運用効率なども考える必要もあるでしょう。

マイナンバーのデータ管理

マイナンバーなど、会社にとって重要なデータをマスターデータといいます。このマスターデータを管理することがデータ管理です。最近、注目を集めるビッグデータでは、データの品質、データの統合・連携、ガバナンス、さらにコンプライアンスなどさまざまな着目点があります。

しかし、マイナンバーにおけるデータ管理では、収集・保管・利用・廃棄に集約されます。データの性格上、ビッグデータなどと異なり、統合や連携などを行うことはありません。また、データ量も、それほど大きなものではありません。

紙ベースではなく、データで管理するメリットはどこにあるのでしょうか。まず、操作履歴などのログが残せることです。もし、紙ベースの管理を行っている場合、その都度、記録をしていく必要があります。また、人の行うことですので、ミスや記録忘れといったことも発生します。

また、このような履歴を残すことで、漏えいの原因究明も短時間ですむ可能性があります。さらに、悪意を持った行動に対しても、抑止力となりえます。

そして、利用においては、保存されたマイナンバーをいかに効率よく利用できるかがポイントになります。法定調書や社会保険関連の書類の作成が、取扱担当者以外にふれることなく、効率的に行えるかがポイントになります。税理士や社労士とのやりとりも状況によっては必要になるでしょう。こういった作業が、確実に、しかも安全に行うことがデータ管理の基本ともいえます。

紙ベースのマイナンバー管理

紙ベースのマイナンバー管理は、データ管理の対極にある管理方法といってもいいかもしれません。しかし、PCなどが普及する以前では、紙ベースによる管理が行われており、実際に漏えいなども防いできました。

きわめて小規模の会社などでは、紙ベースの管理が選択肢になるかもしれません。データ管理に移行するコストが見合うかどうかが、判断の基準となるでしょう。

しかし、どんな会社でも従業員を含め、人の出入りは必ず発生します。そのような環境化では、データ管理を行ったほうが、セキュリティ面ではレベルを上げやすいといえます。また、オフィスに1台のPCもないといった環境も、なくなりつつあるといってもいいでしょう。さらに、マイナンバー業務を外部に委託することで、人的コストを下げることも可能です。

マイナンバーの管理は、できるだけデータ管理にすべきでしょう。