アップルカーを先取り、WWDCでベールを脱いだ次世代「CarPlay」 他

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。

ホンダ自動運転、東京で実証へ=交通混雑地帯で初のレベル4


アップルカーを先取り、WWDCでベールを脱いだ次世代「CarPlay」


米アマゾンの突飛な自動運転車「ズークス」のデザインの内側


ソニー、EVで世界連合も視野 ホンダとの新会社核に


自動車フォレンジック関連サービス(Related forensics services)


AOSデータ社の自動車フォレンジック関連サービスは、予期せぬインシデントが起きてしまった場合、事後対策として車載デバイスやメディアなどから、お客様の必要とされるデータの抽出・解析調査・レポーティングを迅速に行うサービスです。

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Impressions:6月8日 久々の「Apple Car」の続報が、6月6日(米国時間)*に米国カリフォルニア州にあるアップル本社(アップルパーク)で開催された開発者向けイベント「WWDC」(世界開発者会議)において披露された。同イベントは、Appleが毎年、開発者、学生、メディアを対象として開催している。今回は、基調講演とともに、Platforms State of the Union、Apple Developer Centerの初披露などが行われたという。また、M2チップを搭載し再設計されたMacBook Airと、アップデートされた13インチMacBook Pro、iOS 16、iPadOS 16、macOS、Ventura、watchOS 9、開発者がApp Storeでアプリ作成することを可能にする革新的なテクノロジーなども公開された。*日本時間では6月7日~11日。この場において、iPhoneと車載機器とを連携させる「CarPlay」の次世代版についても明らかにされたようだ。「CarPlay」は、オーディオ、通信、ナビゲーション、駐車場、EV充電、フードオーダーアプリなどを車上のディスプレイ上で統合管理するAppleのフレームワークのこと。次世代版は、インフォテインメントや、クラスター(速度メーターを始めとする計器類)向けなど、車内にある複数のディスプレイにコンテンツを表示でき、従来より多くの車載機能を制御できるようになる。同社の「CarPlay」は2014年3月に発表され、「CarPlay」を採用・搭載する自動車メーカー(LANDROVER、メルセデス、ポルシェ、NISSAN、フォード、LINCOLN、Audi、JAGUAR、ACURA、VOLVO、HONDA、RENAULT、INFINITI、Polestar *対応車種は2023年以降に発表)や、「CarPlay」に対応した車載機器などが、その数を増やしている。ユーザーは自身のiPhoneで利用しているアプリを、車載ディスプレイ上でも利用できるようになる。これまでは、マップや電話、ミュージック、メッセージと言ったインフォテインメント系のアプリで利用されることが多かった。今回発表された同フレームワークは、車載機器のデータを読み込み、速度計や燃料計、エア・コンディションなどをディスプレイに、配置などをユーザーの好みにカスタマイズした形で表示出来るようだ。また、ウィジェットなども拡張されており、天気や音楽、ラジオ、エアコンディショナー、スケジュール、各国の現地時間などの情報を、ダッシュボード上においても確認できるとのことだ。これらは、自動車メーカーや車載機器のメーカーが従来の姿勢を変え、車両や車載機器のデータをiPhoneに提供する門戸を開いたことで、実現できたものと思われるという。インフォテインメントで思い出されるのは、今年3月4日に発表された本田技研工業とソニーグループのモビリティとモビリティサービスの創造に向け、戦略的な提携に向けた協議・検討の開始だ。この発表では、具体的に両社において2022年中に新たに合弁会社を設立、新会社を通じて「高付加価値の」エレクトリック・ビークルを共同開発・販売し、「モビリティ向けサービス」の提供と併せて事業化していく意向を確認し、基本合意書の締結に至っている。両社がそれぞれ強みとする、モビリティ開発力、車体製造の技術やアフターサービス運営の実績(ホンダ)と、「イメージ・センシング、通信、ネットワーク、各種エンタテインメント技術の開発・運営(ソニー)」を持ちより、利用者や環境に寄り添い進化を続ける新しい時代のモビリティサービスの実現を目指すとしている。新会社からのEV車両初期モデルの販売開始は、2025年を想定しているとしている。ソニーグループ㈱の吉田憲一郎 代表執行役会長兼CEOは、「セーフティ、エンタテインメント、アダプタビリティの三つの領域を軸にモビリティの進化に貢献していきたい」とし、本田技研工業㈱の三部敏宏 取締役 代表執行役社長は、「新会社では、世界のモビリティの革新・進化・拡張をリードしていく存在を目指し、Hondaの持つ最先端の環境、安全に関する知見や技術の提供などを通じ、両社の有する技術アセットを結集し、いかにして顧客の期待や想像を超えた価値創造を図って行くか、そのような観点で幅広く、野心的に可能性を追求していきたいと思う」としている。ソニーと言えば忘れてはならない存在がある。「VISION-S」だ。同コンセプトカーの中で、ソニーはUI/UXデザインについてこう語って来た。クルマのデジタル化が進み、常時接続が当たり前となる。圧倒的な情報量が車内を満たす時、人とクルマは、情報と体験はどのような関係性に進化していくべきか?「VISION-S」のUI/UXデザインは、そのような問いに導き出されたソニーの答えだという。ソニーは、既存車のダッシュボードに埋め込まれたインジケータ類を排除、広大なパノラミックスクリーンを配置し、走行のための基本的な情報や、空調操作、お家芸のエンタテインメント、コミュニケーション、目的地情報、センサー情報などの最適な配置を試みた。サイドミラーを含むあらゆる情報の入出力をOVAL基調の流れの中に一元的にレイアウト。最大に狙いは「ドライバーが必要情報に数ミリ秒でも早くアクセス出来る」こと。プロトタイプの作成と、エルゴノミクス観点で繰り返し精度を高め、「シンプルかつ高速」に人とクルマが対話できる、理想のUIを見出したとする。パノラミックスクリーンには、ドライバーのための「クラスタディスプレイ」と中央と助手席にも「個別のモニタ」を用意した。二つの画面の意味は「連携」だ。例えば、助手席に座りながら行きたいレストランを表示、中央にはナビが表示されているとする。パッセンジャーが選んだレストランを中央のディスプレイのナビと入れ替えれば、二人で探して辿りついたレストランで、ランチを楽しむことも出来る。ドライバーとパッセンジャーの水平連携をフレキシブルにするのは「L-Swipe」と呼ばれるジェスチャー操作だ。ソニーが図る「次世代の」インタラクションが垣間見える。これらのUI/UXは、公道を走行することにより、現行の法規やISO基準をレビューし、その上で将来のデジタルコクピットはどうあるべきか、クラスタディスプレイの視認性、ステアリングの操作性、視界の中のあらゆるコントラストまでもが「設計」されたものだ。その技術の一旦は、「サイドミラー」にも反映されている。カメラとディスプレイによるデジタルミラーは、Aピラーの位置、クラスターディスプレイとの関係性も考慮され配置された。ドライバーの視線移動、ダッシュボードの上やハンドル周辺などあらゆる可能性を想定、最適化した結果だ。また「サイドミラー」は、車外(周囲のクルマ)を検出するレーダーやセンサーと連動、背後からの高速な接近や死角となる場所への侵入などの危険をドライバーにアラート(ドライバーが危険を察知しやすい様、ARで対象車両を表示)で知らせる。人間の不注意や夜間・荒天時の安全性を向上させる。ソニーは、またモバイルデバイス(スマートフォン)をクルマの一部と考え(反対の思想は多いが)、二つをアカウントでシームレスに結んだ。これにより、乗車前には遠隔から車内のエアコンディショナーを操作し、鍵の開閉、自動駐車などを実現、乗車後にはドライブレコーダーの映像を利用し、スマートフォンやリビングのTVでエンタテインメント・コンテンツとして再現させる。クルマによる移動時間の前後も、UXの一部と解釈した結果だ。UIの一端としては、OTAによるソフトウェアの更新を、継続的なモデルチェンジ(進化)と捉えた点も面白い。同社はソフトウェアの更新により、オーナーの快適性に寄与するばかりでなく、乗り換えサイクルを伸ばすことが出来、サスティナビリティに貢献できるとしている。この根底には、時々の人や社会のニーズによりUI/UXの最適解が変わるという思想がある。iPhoneと車載機器とを連携させるアップルの「CarPlay」が、エンタテインメントの域を出て、クルマのクラスター類に着目、これを可視化したのは大きな進化と言える。同じように、これまでエンタテインメントを追求してきたソニーが、インフォテインメント領域に踏み出すことを前提にした設計思想も優れたものだ。視点を変えれば、ホンダはいまインフォテインメント領域において存在感を示す「選択肢」を手にしている。さらに言えば、ホンダと協業するGM・クルーズが「価値ある選択肢」を手にしたとも解釈できる。自律運転は、いまだ発展中であり、同時に完全とは言えない技術(消費者の意識としても)段階だ。完成車メーカーが「インフォテインメント」に消費者の耳目を集めるということは、彼らにとってサービス及びオーナーカー双方における「安全・安心」のプライオリティが、依然として「エンタテインメント」より高い位置にあるという事実を示しているのかも知れない。今後もアップルとソニーグループのインフォテインメント領域での競演が、すべてのモビリティユーザーの安全確保に貢献する技術として発展していくことを願って止まない。

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