ウェイモや自動車メーカーはレベル5に達しない?…独自アプローチで自動運転をめざすチューリング 他
3月1日 いすゞ自動車、日野自動車、トヨタ自動車は、2050年のカーボンニュートラルに向け、路線バスの電動化を加速させる。CASE技術をトヨタが提供し、CASE技術の社会実装やサービスの企画を事業内容とする「Commercial Japan Partnership Technologies株式会社」と連携し、ラインナップの拡充により顧客の選択肢を広げ、車両コストの低減を図るとともに実用的かつ持続的な電動車の普及に取り組む。商用事業プロジェクト「Commercial Japan Partnership」は、前述の3社で2021年4月に立ち上げたプロジェクトで、その後スズキとダイハツの軽自動車メーカーが2021年7月に加わっている。いすゞと日野は、BEV(バッテリー式電気自動車)フルフラット路線バスを両社の合弁会社であるジェイ・バス㈱にて2024年度から生産開始する。両社は2002年よりバス事業で協業してきたが、昨今のカーボンニュートラルへの対応や、路線バスのゼロエミッション化への顧客ニーズに伴うアクションとなる。BEVフルフラット路線バスは、いすゞが開発を担当することとなる。また、いすゞ、日野、トヨタの3社は、次世代FCEV(燃料電池自動車)路線バスの企画・開発に向けた検討を開始する。2024年度中に投入予定のBEVフルフラット路線バスをベースとした、次世代のFCEVの企画・開発を並行して進める。ちなみにトヨタ自動車のFC(燃料電池バス)の現行バスとなる「SORA」は2018年3月7日より販売開始となっており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京を中心に100台以上導入され、その後も各地で普及が進む。災害時には、電源として利用できる「トヨタフューエルセルシステム」を搭載している。同じく次世代FCEVバスの技術ベースとなる「MIRAI」は、FCEV(燃料電池自動車)として、初代が2014年に販売され、現行は2020年モデルと言える。トヨタの燃料電池技術とハイブリッド技術を融合させた高級セダン型燃料電池自動車だ。「SORA」同様、フューエルセルシステムを搭載。次世代FCEV(燃料電池自動車)路線バスは、BEVとFCEVの部品共通化による大幅なコスト削減を図るとともに、新世代のFCスタックを採用、トヨタ・日野で培われたFCEVバスの開発ノウハウなども活用、より長寿命で付加価値の高い電動車の提供を目指すとしている。これまでも、いすゞは2050年に向け「いすゞ環境長期ビジョン」、日野は「日野環境2030マイルストーン」、トヨタは「トヨタ環境チャレンジ2050」をそれぞれ策定してきており、SDGs、脱炭素化への貢献を具体化している。今回の「路線バスの電動化」を通して、国内のバス事業者や自治体の環境ニーズにも応えて行くものとみられる。日本の水素ステーションは、2021年11月現在、全国で156ヵ所であった。経産省は、水素ステーションを設置するための規制緩和方針を打ち出しており、水素タンクをより安価なクロムモリブデンで建設することを認めるとともに、水素タンクの設置場所を「公道から8m以上離れた位置」から、「公道から4m以上離れた位置」に緩和するなどして、建設費用を2014年の5億円から、昨年までに2.5億円に半減させるとしている。JXTGエネルギーは、2020年までに国内10拠点で水素を生産、販売面では主要な約2,000店舗を対象に順次、水素スタンドを導入すると2014年に発表している。近年では、2018年2月にトヨタ、ホンダ、日産など11社が「日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)」が設立されている。経済産業省「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(2016年6月)のFCVと水素ステーションの普及目標に拠れば、2030年のFCV累計販売台数は、800,000台とされ、水素ステーションは900ヵ所が整備される見通しだ。ゆえにJHyMは、水素ステーションの効率的な運営に貢献し、FCVユーザーの利便性向上、水素ステーションのコストダウンや規制見直しへの対応などをそのミッションとしている。参画企業は、トヨタ、日産、ホンダ、ENEOS、出光、イワタニ、東京ガス、東邦ガス、AirLiquide、根本通商、SEIRYU、TOYAMA HYDROGEN、福岡酸素、丸伊運輸、多摩興運、南国殖産、光南工業、東亜合成、佐藤燃料、DT、豊田通商、日本政策投資銀行、JA三井リース、損保ジャパン、三井住友ファイナンス&リース、NECキャピタルソリューション、スパークス・グループ等だ。バスメーカーにおける、BEVとFCEVの選択は、背後にあるエネルギー産業の今後にも、大きな影響を与えることになるのかも知れない。
