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自動運転に応用、高速AIチップ開発へ 会津大が共同研究着手 他

1月4日 先進的なコンピュータ教育とコンピュータサイエンティストの育成で知られる、会津大学が人工知能搭載のAIチップの開発に着手した。クラウドAIよりも高速処理が可能な「エッジAI」は、エッジAIが必要な情報を瞬時に判断しクラウド送信するため、処理に時間差がなく、自動運転車両の危険回避に有効な技術だ。この技術は2018年9月から沖電気、綜合警備保障(ALSOK)、ジャパンマリンユナイテッドらと進めて来たプロジェクトの延長線上にあると思われる。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」の委託事業の中の「革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」に採択されている。本研究開発は、当初、ディープラーニング技術を高い電力効率で実行すること(ソフトテンソルプロセッサ技術)、高効率かつコンパクトにモデルを圧縮、演算量を削減すること(高効率モデリング技術)、4K/8Kなどの超高精度画像に基づき、遠隔まで細かく広範囲の状況を把握するモデル(広範囲大規模認識技術)の実現の3層の技術で構成されていた。技術は、自動運転だけでなく、地域監視、インフラ管理、雑踏警備、巨大施設大規模雑踏(アリーナなどでの大規模なイベントの自動監視等)、交通管理、海上監視・操船支援などでの活用も期待される。カーナビの渋滞回避、バスが運行していない地域での活用、製造現場における不良品の選り分けなどにも応用が可能だ。

マイカーに有償で「相乗り」 移動弱者のための足確保、社会実験開始へ 他

12月28日 MaaS時代に突入した当初、交通事業者は暗中模索していた。経営の「核」である運転技術者(Driver)の高齢化・なり手の減少により、従来の経営規模の維持が難しくなった事業者は(語弊はありますが)皮肉にも自動運転への転換を推し進めることとなり「人件費」さえも、削減せざるを得ないと考えられていた。双方の心情は察するに余り有る。2021年1月から、富山県朝日町で住民のマイカーなどに有償で相乗りする社会実験「ノッカルあさひまち」が始まる。本実験では、地元タクシー会社が予約や運行管理を担当する。また伊豆の下田では、12/17~12/25まで、東急、名古屋大学、ソリトンシステムズが、一カ所の遠隔コントロールセンターから、伊豆高原駅付近と下田市で運行する車両を同時に沿革で監視する実証実験が行われた。今後、自動運転サービスの普及にあたりバス会社やタクシー会社には、遠隔監視や遠隔操作の代行サービスが、運転免許センターや教習所には、遠隔の運行管理者用の教育メニューが必要だ。「核」を担う方々に新たな仕組みを学習してもらう必要はあろう。遠隔監視には、設備投資も必要だ。しかし、ここに来て、交通事業者には再び「核」を経営の資源化し、経営そのものも成長できる機運も高まっている。

東京五輪でも活躍? 自動運転車が体調変化も把握 他

12月25日 トヨタ自動車の「e-Palette」が実用化に向け進化している。同車は東京オリンピック・パラリンピックの選手村で選手や大会関係者の移動にも活躍する予定だ。コロナ禍により非接触やモノやサービスの移動ニーズが生まれていることを踏まえつつ、トヨタはジャスト・イン・タイムなモビリティサービスを目指す。e-Paletteは、モビリティサービス・プラットフォームの新たな機能として、車とつながる「AMMS(Autonomous Mobility Management System)」や人とつながる「e-Palette Task Assignment Platform(e-TAP)」により、必要な時に、必要な場所へ、必要な台数だけ配車が可能だ。また運行管理を行うスタッフ(搭乗員、保守員)等に作業指示や遅れや進みなどのタスク管理を実現。メンテナンスのリードタイム短縮を図る。運行管理システムにより進化した同車は「Woven City」でも実験を続ける予定だ。2020年代前半には、複数のエリア・地域で商用化を目指す。

トヨタ 自動運転の技術を生かした新たな交通システムを開発 他

12月24日 スマートシティーを打ち出す自動車業界と不動産業界。三井不動産が取り組む千葉県柏市の「柏の葉スマートシティー」(公民学連携組織「UDCK」が街づくりを担う)、トヨタが取り組む静岡県裾野市の「Woven City」は、日本におけるスマートシティーの代表的な案件と言える。裾野市は令和2年3月に「次世代型近未来都市構想の策定にあたって」を発表している。同市の既定の都市計画に抜本的な変更の必要が生じたことは想像に難くない。自治体としては、この黒船を「いかに地域に溶け込ませるか」が腕の見せ所となる。人口減少や少子高齢化の進行する同市では、拠点のコンパクト化と圏域内ネットワークの充実に着目している。自治体を取り巻く社会情勢の変化も、自然災害や観光ニーズの変化、SDGs、Society5.0の到来など、枚挙に暇がない。「今までにない」世界を迎え入れた裾野は市民や企業とデジタル技術やデータの利活用により地域課題の解決に挑む。この取り組みの方向として「Woven City」連携、産業や雇用の確保、交通・モビリティ改善(MaaS)、環境・防災、教育・人材育成、健康・医療、農林業、観光・スポーツ、スマート自治体(DX)が上がる。「今までにない」世界に挑むには、より広い世界の知見を集める必要が生じる。資料後半に「都市OS」の存在も見逃せない。同市は推進パートナーとして、国の国家戦略特区や県、東京大学のデジタル裾野研究会とコンソーシアムを立ち上げる。「旅は道連れ、世は情け」だ。⛄ Bonus-Info:12/17_日亜化学がコロナを「99.99%」不活化する殺菌用LEDを量産へ

不動産とモビリティを融合するMaaS—MaaS Globalが日本で実証実験を実施へ 他

12月23日 かつて1500mのコンクリート舗装の滑走路と1500名分の兵舎を擁した陸軍柏飛行場は、終戦後1950年6月に朝鮮戦争が勃発した際、米軍に接収された。当時米軍将校が視察のためL-6連絡機で現地を訪れたが、これが柏飛行場で最後の固定翼機の離着陸となったという。1956年には米軍柏通信所として運用が始まり、1979年に柏市や地権者などに全面返還される。かの地は現在「Society5.0」の実現に向け、国交省が選定するスマートシティーモデル事業に選定され、データ駆動型のスマート・コンパクトシティーを目指す。官学民が連携、分散立地する拠点施設の活用と環境・健康交流を育み、自立した都市運営を行うことを課題としている。「柏の葉スマートシティコンソーシアム」は、モビリティやエネルギー、パブリックスペース、ウェルネスの視点から、民間データと公共データを連携、データを横断的に活用できる仕組みを構築、新たなアプリケーションやサービスの創出を通し、社会的な課題解決に取り組む。フィンランドのMaaS Global社は「柏の葉スマートシティ」において、三井不動産と共に12/18~モビリティーサービスと不動産を融合する実証実験を行うと発表した。実験では同地と東京エリアの三井不動産マンションの住民を対象とし、MaaSアプリを提供、人々がどのように異なる交通モードを利用するかについて検証する。

JR東、高輪ゲートウェイ駅周辺をスマートシティー化へ…KDDIと連携 他

12月22日 菅総理が10/26に招集された臨時国会で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と所信表明演説をしたのは、記憶に新しいところだ。JR東日本も2024年度にまちびらきを予定する品川開発プロジェクトにおいて「株式会社えきまちエナジークリエイト」を設立し、先進的な環境・エネルギー技術を取り入れたまちづくりに取り組んでいる。国交省ホームページにある「2018年度における輸送量あたりのCO₂排出量(旅客)(2018年度)」を見ると、同社の排出量は11(g-CO₂/人キロ)だった。ちなみに自家用自動車は133、航空は96、バス54、鉄道18と比較してである。量にして199万t-CO₂となる。駅の省エネ化、再生利用エネルギーの活用など様々な環境保全技術を駅に導入する「エコステ」も進む。モデル駅の「高輪ゲートウェイ駅」やお隣の品川駅を中心とする「品川開発プロジェクト」では熱供給事業やエネルギーマネジメントのノウハウを有する東京ガスと共に「太陽光・風力発電、太陽熱・バイオガスシステム・地域冷暖房・地中熱、コジェネレーションシステム」などのエネルギー技術を導入する。また同駅では2024年度を目途に駅周辺で高速大容量通信5Gに対応し、自動運転バスの運行や遠隔診療拠点の整備なども行う。全社で進むまちづくりやターミナル駅開発、ホテル拡充などビジネス的視点とも合わせ、ここで培われるスマートシティー化の技術をコンパクト化し、自社の管轄地域(地方)やJRグループ全体にシェア出来ないか。

NVIDIAのAIを搭載した完全自動運転の都市型ロボタクシー「ZOOX」 他

12月21日 米・NVIDIA(半導体メーカー)が17日、パートナーであるAmazon傘下にある自動運転車会社の「Zoox」はレベル5の「robotaxi」を発表した。同社はWebサイト上で「ドライバーのためではなく、乗車する人々のために」と謳い、新しいビークルのシートの肌触りやシートに装備されたドリンクホルダやワイヤレス充電器について、また手元のコントローラで到着時間の確認、場所、ルートの確認や音楽とエアコンなどの設定が出来る快適さやサンルーフや足元まで窓が広がる採光性に優れたキャビンをアピールしている。「Youtube」の動画へのコメントには、本開発への賞賛やすぐ導入したいとの意見と共に多彩な注文も。前後対象のデザインや後ろ向き側の座席には賛否両論、非接触型スイッチ、UVクリーニングシステム(基盤など電子部品の表面に付着した有機物を取り除くシステム)、シートの快適性、IIHS衝撃試験に対応するか?LiDAR、音声認識(視覚障碍者用/高齢者向け)、窓、モニター設置、降りないお客さんはどうするの?寒冷地仕様、ドライブシステム、電源、再充電、障害者対応、4つのセンサー統合、水素モデル、エアバック等々。ビークルの進化・発展は続きそうだ。

沖縄全域におけるMaaS実証事業である沖縄MaaSのサービス開始について 他

12月18日 沖縄県豊見城(とみぐすく)市に本社を置く有限会社カリー観光(一般貸切旅客自動車運送業 他)の観光バスの車体には、沖縄の石垣、竹富島を含む八重山諸島発祥の織物「ミンサー織り」がデザインされている。約400年の歴史を持つ伝統工芸品で通い婚の女性が男性に想いを込めて贈った織物だという。模様の内、五つのマス目は「いつの」を表し、四つのマス目は「世」を表す。縁取りの模様はムカデの足を表し「いつの世までも、足しげく私の元に通ってください」という意味があるという。12/16に沖縄琉球銀行は、23日に開始される「沖縄MaaS」を発表した。今回の実証実験では、ゆいレール(沖縄都市モノレール)、バス各社と観光・商業施設等とのサービス連携を実現、第一フェーズとして事業者が販売するチケットを電子化する。電子化されるチケットはモノレール乗車券、バス乗車券(東京バス、カリー観光、やんばる急行バス)、商業施設入場券(首里城公園、沖縄美ら海水族館)で購入は専用サイトで会員登録後、チケットを選択してクレジット決済を行う。利用方法は、購入時に付与されるQRコードをスマホ画面に表示、リーダーに読み取らせて入出場する。モノレールとバス、モノレールと施設入場券のセット販売も行う。来年2月から行われる予定の第二フェーズでは船舶との連携も実施される予定だ。那覇市における住民の自家用車や旅行客のレンタカー渋滞を緩和しつつ、周遊の利便性を上げる。(*読み方「おきなわちゅらうみすいぞくかん」)

不動産×MaaSで街の魅力を向上。三井不動産が日本橋・豊洲で展開 他

12月17日 街が変わる。三井不動産は、12/15(火)からパークアクシス豊洲キャナル、同東日本橋ステーションゲート、同日本橋浜町レジデンス、同日本橋茅場町、同日本橋堀留町で、MaaSを駆使したマンション住民向けサービスの大規模実験に乗り出す。同社は現在、千葉県柏市のパークシティー柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワーウエストで、フィンランドの「MaaS Global」と組み、不動産×MaaS実験に取り組んでいる。今回の実験では、バス・タクシー・カーシェア・シェアサイクルをサブスクリプションで利用可能とする。実験の内容で興味深いのは、今回は移動型店舗を組み入れることだ。同社は商業店舗向けに移動販売車両のリースも想定している。マンションの付加価値向上を図りながら、地元商圏への配慮も伺える。店舗は曜日や時間帯により住民のニーズを想定しながら入れ替える。固定店舗を持つ飲食を始めとするさまざまな事業者に新たな販売チャネルが提供される。失われつつある駅前商店街の中で機能していた「便利」が新たな形態で生まれ変わり、顧客の身近に展開する。首都圏や郊外、地方都市においても、不動産事業者+他業種が連携の域に達する取り組みとなれば、失われそうな街の絆が生まれ変わり深まる時代が来るだろう。

自動車業界、環境規制とCASE対応急ぐ 動画で解説 他

12月16日 『史記』より。蘇秦(そしん)は強国である秦に対し、南北に連なる楚、韓、趙、斉、燕の6か国は連盟を結び、これに対抗せよと。すなわち「合従」である。張儀(ちょうぎ)はこの6か国が秦と個々に同盟を結べばどうか?と。これが「連衡」だ。コロナ下で自動車市場の今年の状況はどうだったか。工場停止やディーラーの販売停止から始まり、5月以降は各国でローン金利引き下げや、返済猶予などの優遇措置により回復の兆しを見せたのも束の間、10月からの欧州のロックダウンの影響を受け、新車の販売はまだ先が見通せない。また、2015年の地球温暖化対策「パリ協定」を受け、今年から環境規制が始まり、各国でガソリン車やディーゼル車の規制が活発になり、結果EVシフトが進み始めた。CASE対応では、各社新技術の開発や実証実験、新技術の導入に拍車がかかったが、同時に研究開発費が一社では負担しきれないとの事情から、世界の大手自動車メーカーで「合従連衡(がっしょうれんこう)」が進むこととなった。来年も状況を的確に察知しながら、巧みな舵取りが必要となる。