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株式会社イード主催のオンラインセミナー『医療MaaSの最前線』にキャンピングカー株式会社 取締役 吉田 智之が登壇いたします 他

11月19日 11/19(金)14:00-17:00に、㈱イードが主催するオンラインセミナー「医療MaaSの最前線」にキャンピングカー㈱が参加する。㈱イードは日産自動車が100%出資して設立したマーケティングリサーチをベースにしたデザインマネジメント・コンサルティング会社と、㈱インターネット総合研究所100%出資の子会社IRIコマース&テクノロジーが2010年6月に合併した会社で、マーケティングサービスとデータ・コンテンツ、リサーチソリューション、ECソリューションなどを手掛ける。キャンピングカー㈱は、キャンピングカーレンタル事業やアウトドアメディアプラットフォーム、農業IoT、ペット、防災、防犯、MaaS関連事業などを営む。セミナーの中でキャンピングカー㈱は「キャンピングカービジネスから見出された医療MaaSの未来~MEMOLAB.の取組み~」として吉田取締役が講演する。本セミナーを取り上げたのは同社の優れたアイデアを紹介したかったからだ。同社のキャンピングカーレンタルサービスは、アウトドアレジャーの需要の高まりや訪日外国人利用者増加の追い風もあり、近年急速に成長していたが、コロナ禍により需要が冷え込み、事業成長が停滞していたという。講演では、そのような状況下で打開策として発案された「キャンピングカーを医療業界に貸し出す」という斬新なアイデアが披露される。コロナのピーク時に救急車が休みなく街中を行き来していた状況は、まだ記憶に新しい。同社が発案した車両は救急車ではなく「医療向けメディカルキャンピングカー」だ。ベースはキャンピングカーだが、既に「発熱外来患者向けの診察室」、「ドライブスルー型PCR検査室」、「移動型ワクチン接種カー」として多数の利用実績がある。メディカルキャンピングカー(https://japan-crc.com/bosai/campingbed/)は、車高が高く設計され、立ち仕事も可能で、ルーフ部には吸排気が可能なベンチレーターや、医療機器を使用するための100V電源、簡易ベッドとなるシート構造、検体・ワクチンの保管用冷蔵庫、こまめな手洗い・うがいなどが出来る給排水シンクを備えている。自社宣伝となり恐縮だが、弊社(AOSデータ社)も、本日11/19(金)~30日(火)にかけてウェビナー「デジタル医療薬DTxとAI AOS 2021 Novenber~安全なデータ共有から始める医療DX~」(https://www.aosdata.co.jp/seminar/211119/)を開催、かの「ダイヤモンド・プリンセス号」で医療隊員を務めた感染症の専門家で、神奈川県厚木市にある南毛利内科院長の 内山順造先生をお招きする。内山先生は国内で初めてのクラスターが発生した「ダイヤモンド・プリンセス号」の現場経験から、医師や看護師の方を感染の危険から守るクリーンルーム「発熱外来用UV付き簡易診療室 COVID-19 killer3」を開発された貴重な経験の持ち主でもある。院内感染の危険を考慮し、発熱外来患者の受入れ難易度が高い町の診療所に、移動可能でピーク時にだけ、レンタル可能なサービス形態が強みであるキャンピングカーと、キャンピングカー内でのさらに安全な診察環境を両立出来れば、町の診療所にとって第6波に対しての心強い診療設備となるのではなかろうか。また、診療や処置の迅速化の観点から、メディカルキャンピングカーと地域の総合病院、診療所など医療関係者間において、セキュアな患者の個人情報共有の取り扱いが求められる情報ネットワークの構築に、医療専門家向けファイル共有&ストレージ「AOS MedDX」をご検討いただければ幸いです。

三井不動産のMaaS戦略 移動しやすさで地域価値変える 他

11月18日 三井不動産は言わずと知れた総合不動産会社(デベロッパー)だ。千葉県柏市にある柏の葉スマートシティーの開発を手掛けたのは、2000年になってから。同年には東大の柏キャンパスが開設されている。柏市の都市計画に基づき273haの区画整理事業を行った。2005年にはつくばエクスプレスが開通、柏の葉キャンパス駅が開業、2008年には千葉県と柏市、東京大学と千葉大学により「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が発表されている。幕末に小金牧と呼ばれた幕府の放牧場は、いま次世代の「スマートシティー」のモデル都市として脚光を浴びており、三井不動産はこの場所で、フィンランドのマース・グローバル社の事例を参考にしつつ、サブスクリプション型のMaaS実証実験を繰り返し行っている。行政や研究機関、民間企業、市民にとって魅力ある「スマートシティー」構築のため、どのような取組が行われているのだろうか?「健康・環境・新産業」の分野に分け、同社の取り組みを紹介したい。まず【健康面】では、超高齢化社会に対応し、住民が安心・健康に暮らすことが出来、健康情報や健康増進サービスを享受出来る健康研究所を創設したり、周囲の自然環境を活かし街のウォーカブル化にも注力し「ウォーカブルデザインガイドライン」などをまとめ、住民にランニングやウォーキング、散策も楽しむことが出来る環境を提供している。また、半径3㎞圏内の求人情報を集めた「柏の葉スマートシティ求人サイト」を創設、職住近接によるワーク&ライフの充実や「子育て世代を応援する街」を謳い、「パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワーウエストには、建物内・敷地内に保育園や学童保育施設、小児科クリニックや病児・病後児保育施設などを入居させている。これらの施設は「街」の周辺に居住する地元住民もあわせて利用できる。住民の健康管理の一環としての「食」にも配慮し、柏の葉キャンパス駅高架下の「かけだし横丁」では「ロカボ」(一食当たりの糖質量を20~40g、1日の総摂取量を70~130gにする食事法)メニューを提供する。【環境面】では、街全体のエネルギー・マネジメントをAEM(エリアエネルギー管理システム)により、居住区、ショップ&オフィス棟、ホテル・レジデンス棟、東京大学駅前サテライトなどの「ゲートスクエア」、ららぽーとなどの商業施設と電力会社のインフラ、蓄電設備、太陽光発電設備を自営送電線網で統合管理、「スマートグリッド」(分散電源による電力を地域で融通し合う仕組み)への発展を図っている。本取り組みにより、地域レベルで約26%の電力ピークカットを達成、電力エネルギー・CO2削減しつつ、災害時にも事業の継続(BCP)や生活の継続(LCP)を実現する。またHEMSと呼ばれるホームエネルギー管理システムで日常生活の省エネ化も可能としている。これら環境面の取組は「CO2削減のためのロードマップ」に基づき、2030年の排出量削減率60%を目標に低炭素化に取組む。「ゲートスクエア」では、自然の熱や空気を活かし地球の負担を減らすサスティナブルデザインとAEMSを組合せ、2棟で40%、ショップ&オフィス棟単体では約50%のCO2排出量削減を達成している。また建物の屋上に太陽光パネル、風力発電装置を設置、地下水や雨水の利用、生ごみバイオマス、CGS排熱など未利用エネルギーの徹底活用でCO2の大幅な削減を目指している。【新産業】への取り組みでは、KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)を創設し、ベンチャー支援組織である一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)が起業家などに対し、様々な側面から支援活動を展開する。ここではコワーキングスペースや、多様なサイズのミーティングルームやイベントスペース、VIP用サロン、KOIL FACTRY(最新の工作設備のある工作室)などの施設を会員などに提供し、一方では民間企業や行政、研究機関など様々な組織との連携を図り、IoTの普及や活用、IoT関連ビジネスの機会創出や協業を導き出す。さらに、あらゆる機能が約3㎞圏内に集結、AI・IoT及びライフサイエンス・メディカルの2分野での新たな製品やサービスを生み出すための実証実験の場も提供している。「スマートシティー」が擁する領域は果てしなく広い。集うのは多様なバックヤードと未来への旺盛な希望を抱く「住民」だ。現代のデベロッパーの「仕事」は、場の提供だけでなく集う人々のモチベーションを育成・持続させる仕組みや環境づくりであり、「MaaS」はスマートシティーを支える基盤であることを改めて感じさせられた。

「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」実証実験の見合わせについて 他

11月17日 静岡県伊東市内で、11/15(月)14:46頃、伊東市内で「しずおかShowCASEプロジェクト」にて走行中の自動運転実験車両と歩行者の接触事故が発生した。場所は同市八幡野地内の市道カーブで、72歳の男性が犬の散歩中、自動運転車両のサイドミラーと接触した。幸い男性にケガはなく、周辺の物損などの被害もなかった。自動運転車両は伊東市内の遠隔コントロールセンターから遠隔操作中だった。本件について、日テレNEWS24では「遠隔で運転していたスタッフがブレーキをかけたものの正常に作動しなかった」としており、静岡新聞では「運転席は無人で、助手席に乗っていた補助員がブレーキをかけて停車した。当時、実証実験に向けて公道を走るための事前審査を実施中で、立ち会いの警察官を含む7人が乗車していた。時速10キロ程度でカーブに沿って車両が曲がらず、直進した」と報道した。県の交通基盤部政策管理局建設政策課は、11/16に「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」実証実験の見合わせについて、として既に同件を発表している。県の発表の概要によれば「上記歩行者(男性72歳)が、犬の散歩中、自動運転車両のサイドミラーと接触した。接触による歩行者の怪我、周辺の物損等の被害はなし」、原因は「技術的要因や運用方法を含め現在確認中」としており、「再開については、原因究明と安全対策を確認の上、検討いたします」としている。「しずおかShowCASEプロジェクト令和3年度実証実験計画」によると、2021年度の実証実験は県内の松崎町、伊東市、沼津市、掛川市で行われることになっており、実験の目的は、自動運転等の最新技術を活用した移動サービスの導入による地域交通の課題解決の検証、EV等、次世代自動車及び自動運転車両の研究による県内企業の技術開発を促進、となっている。同計画の実験概要【使用車両】には、車内外とのコミュニケーション装置(マイク・スピーカー・ディスプレイ)、レーザーレーダー、カメラ、通信装置&自動運転システム、リチウムイオン電池などが搭載されている旨が記載されている。※参考:2020年度伊豆高原使用車両。車両は19km/h以下で公道走行可能なグリーンスローモビリティを使用している。本実証実験において遠隔センターは、どのような役割を果たしていたのか?同資料の実証概要【実証テーマ】を拝見すると、車両のカメラ映像や自動運転システムの動作状況、車両位置などの運行状況をリアルタイムに遠隔監視したり、状況に応じた判断や車両への指示を担うとされている。具体的には、信号のある横断歩道などで、実験車両が走行中に歩行者や障害物を認識した場合、車両を一時停止させたり、必要に応じて「指示」や遠隔操縦を実施し、歩行者や障害物の回避後に自動運転での走行を再開させる(2020年度伊豆高原実証)ことなどが期待されている。実証技術【遠隔監視・操舵】の実証内容を拝見すると、伊東市(伊豆高原駅)に遠隔コントロールセンターを設置、各地区の運行状況をリアルタイムで監視するとともに、自動運転車がシステムで運行可否を判断できない場合の運行指示を「遠隔者」がセンターから行う。本実証は10月の松崎町より、順次、監視台数や地点を変更しながら行うとしている。また、同資料の【コントロールセンターの機能】にはセンター内で3人の「遠隔者」が、複数のディスプレイを監視する写真が掲載されており、各装置の役割がまとめられている。詳細は同資料(https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-570/documents/20210804keikakusho.pdf)の12頁。それ以外に「操作パネル」が設置されており、(1)タッチスクリーンで各画面の制御や遠隔操縦の制御を行う、(2)遠隔運転時の緊急停止ボタンを装備、(3)車内、車外に設置したマイク・スピーカを使い車内外との通話が可能としている。実験の何がきっかけとなり、接触事故につながったのか?緊急停止の仕組みは二重化されていたのか?過去の接触事故の教訓は活かされていたのか?全く新しい問題が起きたのか?など、将来的な利用者として知りたいことは多い。正確な原因究明と根本的な対策が発表されるのを待ちたい。

日本でのMaaS普及、“ラストワンマイル”はデータ連携? Uberや国交省などが議論 他

11月16日 MaaSと自動運転の進展により、今後、公共交通事業者の保持する機材(モビリティ)や従来型のサービスおよびメンテナンス・経営の見直しが進むのではないかと思う。理由は、社会的には高齢化や公共交通を担う人手不足、利用者自体の減少が進み、モビリティサービス事業者には、前述したどちらの技術にも省力化と様々な意味で小回りの利く公共交通という方向性が求められるからだ。交通の利便性が上がれば、移動の総量が上がるという考え方において、一つ深い階層を探るなら、高齢者・その他の移動弱者が外出しなくなる理由に、移動手段の不足という問題以外に、自身の身体機能に衰えや障害との理由があるといえる。移動の総量を上げるためには、身体の機能をサポートできる「車いす」などのツールを受け入れる装置を、一次および二次交通、ラストワンマイルに用いる機材(モビリティ)に「標準装備」させ、移動負荷を下げることにより移動の総量の底上げに繋げたい。標準装備化(パッケージ化)が考えられる分野は、顔認証による支払い、乗客も操作できる車いすの昇降リフト、空気清浄・除殺菌装置(呼吸器の疾病者対応など)や、車庫内などでの消毒作業、それらを乗客に知らせるための公共デザインやサイン、乗客が緊急時(体調が悪くなった時、防犯など)に、外部の運行管理センターなどに連絡する装置、モビリティ内の異常を検知するセンサーやカメラ設備、トイレやエレベータ、目的地までの最短ルート案内情報(アプリ)などの整備(ユニバーサル機能はUIを統一化するなど)がこれに当たると思う。モビリティサービス事業者が、今後新たに機材を購入する際にはより上流となるメーカーへの補助や装備の新たな制度の整備に着手すべきだし、個社がこれらを、現在手持ちの機材に対し追加で標準化させるなら、国や自治体などから、これらの装備などを包括した補助が出れば、導入の進展も早まることだろう。従来型のサービスおよびメンテナンスについては前述の通りだが、機材(モビリティ)自体に関しても、先日発表された中国製のEVトラック(380万円)のように、近い将来、EVバスやEVタクシーにも、低価格化の波が到来するのは避け得ないだろう。ちなみに、EVトラックのメーカーとなった東風小康汽車(Dongfeng Motor Corporation)は、中国の三大国有自動車メーカーの一つで親会社となる東風汽車集団の商用車ブランドの位置付けだ。東風汽車集団は、日産やホンダ、欧州自動車メーカーとも国内における合弁会社を設立している。ブランドも合弁会社としてのメリットも巧みに活用するなかなかのやり手だ。今回、東風小康汽車の商用トラックの導入を決めたSBSホールディングスは「日本メーカー製は、1台1,000万円以上となり、低価格の他の海外製には品質面で懸念があった」という。東風小康汽車のEVは、価格と品質、双方のバランスを満たした、ということだ。諸事情もあろうが、予期せぬ形で(?)フォロワーに位置することになった日本メーカーは、先ずは価格における課題を、政府の「後ろ盾」も仰ぎつつ柔軟に解決する必要がある。話は初めに戻ることになるが、国内の自動車メーカーにとって、いま必要とされる「後ろ盾」の一つは、国による「標準装備化」(パッケージ化)と量産(コストダウン)推奨ではないだろうか。価格競争力と品質面での差別化の双方が手に入る。先ずもっての課題を解決できれば、「MADE in JAPAN」に対する利用者の信頼感という大きなメリットが控えており、EVバスやタクシー市場への参入をサポートしてくれるのではないか。

夜間も運行する自動運転、5G商用ネットワークを活用した遠隔型 実証実験へ 他

11月15日 静岡県と掛川市は、東急株式会社、ソフトバンク株式会社と協力し、12月16日(木)~22日(水)まで同市において、スマートシティーの実現、新たな移動手段の創出、観光促進を目指し、スタンドアローン(SA)方式の5G商用ネットワーク(*5G SA)を使った映像伝送を活用した遠隔型自動運転の実証実験を実施する。12月4日(土)17時30分より「光のオブジェ展の点灯式」とあわせ、有人運転による実験車両のお披露目を行う。久保 崇(くぼ たかし)市長も試乗する予定だ。本実証実験は「しずおか自動運転ShowCASE プロジェクト」の一環として位置付けられる。「5G SA」は、これまで同一のネットワークによる実現が困難だった超高速・大容量・超低遅延・多数同時接続を実現、5G基地局単独で動作、ソフトバンクは「Airターミナル5」への導入などを図っている)。4Gと比べ、より自動運転に適した商用ネットワークと言える。*「Airターミナル5」は、Wi-Fiによる高速インターネットを利用できる宅内機器「SoftBank Air」の新機種のこと。実験には2台のグリーンスローモビリティー「かけがわチャ(茶)レンジ号」が投入され、伊東市にある遠隔コントロールセンターから遠隔監視し、運転に介入する必要が生じた際には遠隔から車両を操作を行う。実験では、東急が車両やシステムの提供と運行管理を行う。また、自動運転車両の走行ルートには、ソフトバンクが提供するAIを活用した画像解析エンジンを搭載したカメラ(AIカメラ)を設置、カメラ映像に対向車や人などが検出された場合、コントロールセンターに映像を伝送し、遠隔監視や車両の操作に利用、車両の安全運行に活用できるか検証する。周囲の認識が難しいとされる夜間の走行にも取り組む。光のオブジェなどの存在が、AIカメラにどのように作用するのかも含め、興味深い。実証実験の期間中は、午後2時~4時(昼の部)と午後5時30分~7時(夜の部)に走行時間を分け、JR掛川駅北口から、掛川城を通過、大日本報徳社の敷地でUターン、掛川城三の丸広場まで定時定路線で、車両を運行させる。運賃は無料だが、乗車には、事前にLINEを活用した乗車予約システムから登録を行う必要がある。平成30年度の掛川市の「都市計画マスタープラン」を拝見すると、富士山静岡空港との広域交通網の利便性の向上、また都市間・拠点間の維持・改善。地域の公共交通の維持確保が中心的な考え方を占めている。主要な交通機関は、JR東海道新幹線および東海道本線、東名高速、国道1号バイパス、北部に新東名高速、南部に国道150号線を擁し、北西部には天竜浜名湖鉄道が、東側には菊川市を挟むものの、空の入口、富士山静岡空港が位置する。バス路線は、しずてつジャストライン(掛川駅から御前崎市方面)、遠州鉄道(南部から袋井市、浜松市方面)、秋葉バスサービス(南部から袋井市、森町方面)が運行され、中心部から北部にかけては袋井市の自主運行バスが走る。北部や南部の地域を中心に公共交通でカバーできていない区域が存在する。掛川城を中心として、市内各所に魅力的な観光コンテンツが存在するが、それらを網羅できる移動手段が確立されておらず、観光客の「周遊」を促しにくかった。この実証実験を足掛かりとして、市民も観光客も気軽に移動できる自動運転車両を導入・活用することで、市内のウォーカブル化を促進したい考えだ。掛川市は世界に誇るお茶の産地だ(https://ochatokurashi.jp)。市内には、最高級煎茶「天葉茶」やわらび餅の販売店がひしめく。もし時間があれば、掛川茶に造詣が深く、お茶を美味しく淹れてくれる掛川茶ブランド委員会認定「掛川茶マイスター」がいるお店に足を運ぶのも一興だろう。(http://www.kakegawa-cha.com/union.html)*本記事のアイコン画像は「掛川市オープンデータサイト/掛川茶の写真」(掛川市) (https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/opendata/dataset/11603.html)を加工して作成しています。

米トヨタ、自動運転など3つの新研究プロジェクト発表…今後5年間で 他

11月12日 トヨタ自動車の先進安全技術研究センター(CSRC)が2017年に北米を代表する8つの研究機関とパートナーシップを構築、5か年プログラム「CSRCネクスト」を立ち上げ、進化する車両技術の可能性と課題に対応を始めたことを思い出す。同センターは、2011年1月に交通事故による死傷者の低減を目指し、北米の大学(ミシガン大学、ヴァージニア工科大学)や病院(フィラデルフィア小児病院)、研究機関と共同研究を行うために新設されたものだ。当時の研究プロジェクトを振り返ると、先進技術が交通安全に幅広く与える影響や、人間とクルマとの相互の関係について重点的に研究する等の記事が見受けられる。具体的には、緊急ブレーキなどの予防安全技術と衝突安全技術の統合、人間の感覚に合った先進技術の開発、ドライバーの状態の検知、実際の交通環境における運転データの研究に役立つ分析データの活用などが項目として挙げられていた。当時、同社が自動運転とコネクテッドカーの技術の進化に伴う世界的な潮流を捉え、世界的な研究機関と協力体制を築いたものと思われる。2021年11月現在、これらの研究は、トヨタ車両の安全性能(例えば「カローラ」の夜間歩行者や車両周囲の自転車を検知・回避操作を促すプリクラッシュセーフティや、誤って踏み間違えてもブレーキで衝突被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナー、車両が車線の中央を走行するようにハンドル操作をサポートするレーンレーシングアシスト、走行中、ドライバーのリクエストにオペレータが受け答えするオペレータ―サービス、車両のオーナーが離れている時でも、トラブルを通知したり、ドアロックしたり、駐車位置の確認などが出来るマイカーサーチPlus、エアバッグ作動時など、もしもの時の緊急通報対応するヘルプネットなど)に活かされているものと思われる。今月、同研究センターは今後5年間の取り組みとして、モビリティテクノロジーをすべての人が理解し、その恩恵を受け、相互作用を支援する「ヒューマンセントリック」や、交通環境やドライバーにより起こり得る交通安全上の危険を調査、将来的なモビリティ技術、特に自動運転システムの安全な運用を図る「セーフティアシュアランス」、新たな衝突安全対策、新たなADAS(先進運転支援システム)、自動運転システムのテストにおける評価方法の研究「アセスメント」などを発表している。今のところ、2025年に新たな安全性能を搭載した「カローラ」が発売されるかどうかはまだ分からないが、近未来のトヨタ車両にこれらの取り組みの成果が反映され、より安全な車両と交通社会・環境が身近になっていることを願いたい。

岸田首相“自動運転配送”法案 国会提出へ 他

11月11日 故大平正芳(第68・69代の内閣総理大臣)氏が提唱した「田園都市構想」。在任中、1980年頃に日本の経済的な豊かさを追求した戦後の日本から転換し、人間と自然が調和する国づくりを提唱した。自民党の宏池会(通称、岸田派、岸田首相は9代目会長)は、前々政権の平井IT担当相を中心に、ウィズ・コロナと言われる「この先の日本のライフスタイル」として、デジタル技術を活かし、暮らしと自然を調和させた「デジタル田園都市国家構想」を、現代版「田園都市構想」としてリニューアルさせた。「デジタル田園都市国家構想」は、働き方や教育などのデジタル化を進め、地方でも都市並みの所得と「感染再拡大に備えたまちづくりを目指す」。具体的には、オンラインによる授業や診療の推進により、地方でも都市部と変わらない質の教育や医療が享受できるようになり、リモートワークの推進、ひいては働き方改革に繋ぎたい考えだ。各地で実証実験の進むMaaS(Mobility as a service)との親和性も高い。現政権にとっては、コロナ禍により力を失った地方経済の再生・支援も急務だ。岸田政権の「デジタル田園都市国家構想」は、地方創生を手掛ける内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局(地方創生の企画・立案、総合調整を行う)と、内閣府地方創生推進事務局(地方創生に関する法律や予算、制度の運用を行う)などが担うこととなりそうだ。従来の地方創生における、DX推進、脱炭素、テレワークの推進、魅力ある地方大学、地域産業の創出・振興、関係人口の創出・拡大、企業版ふるさと納税(人材派遣型)などに基づくスーパーシティの構想、地方のデジタル基盤の整備(5G/ソサイエティー5.0の導入)などの上に何を築くことが出来るかが問われる。岸田首相は、10日夜の記者会見で、自動車の「自動運転」による「配送サービス」を可能とするための法案を来年の通常国会に提出すると発表した。安倍首相時代の記憶を辿れば、2020年7月に開催された未来投資会議の席上で、コロナ禍後の新たな日常を踏まえ、安倍首相から「自動配送ロボットについて、遠隔監視や操作の公道実証を年内の可能な限り早い時期に実行」との指示が出たことがある。当時は、公道実証を可能な限り早くとの表現だったが、現政権では「配送サービス」となっている。物流MaaSの社会実装がより現実的になって来たことを窺わせる文句だ。米国では、11/8に流通大手のウォルマートと自動運転技術のスタートアップである、ガティック(Gatik)社がアーカンソー州で、完全自動運転トラックによるルート配送を開始したと伝わる。稼働は1日12時間、2台のトラックが、7マイル(約11キロ)を運行するという。今後の日本にとってデジタル技術を活かした「暮らしと自然の調和」は、まだ始まったばかりと言えそうだ。

“自動走行しながら除菌” ロボット実証実験開始 神奈川 藤沢 他

11月10日 MaaSの本質というか、原点とは何だったか?最近の国内の疑似的な「MaaS」の動きを見て思うことがある。時節柄、コロナで落ち込んだ交通を始めとする観光や飲食の需要・地元経済の回復という要素が絡むから「MaaS」を利用したこれらの動きは、経済活動との観点から見て、至極正しく必要だ。それどころか、より一層「MaaS」の価値を際立たせている。そうだとしたら、昨今メディアから伝わるMaaS関連のニュースに触れ、感じている違和感とは何か?考えてみた。ご存知の方も多いと思うが、フィンランドにあるスタートアップ、マース・グローバル社は、2015年から「マイカーを使わない(都市の)快適な移動」というきわめてシンプルな課題に取組み、世界的な評価を受けた企業だ。その結果、フィンランドの首都ヘルシンキでは、同社のMaaSアプリ「Whim」の出現により、アプリ利用者の12%が自家用車を手放し、イギリスの国際石油資本BP(旧:ブリティッシュ・ペトロリアム)やトヨタフィナンシャルサービス、三菱商事などは同社に出資、各国の都市部の交通渋滞緩和や、大気汚染の減少を期待する流れに至っている。同社は、この8月にもシリーズBラウンドで新規投資家により組成された1,100万ユーロの追加資金調達を実施、次なる成長に向かって歩みを進めている。話は変わるが、イギリスで開催されている「COP26」(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)において、ジョンソン首相は「気温上昇を1.5度以内に抑えるよう努力する」ことへの合意を各国に募った。草案の原文は「2030年までに世界の二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で45%削減、今世紀半ばにゼロにする」としている。これに対し、米中は温暖化ガスの一種であるメタンや石炭削減、森林保護など気候変動対策での協力策を盛り込んだ共同宣言を発表している。海の向こうを見渡せば、既に「MaaS」という概念は、移動の利便性向上と地球の環境保護と結びついており、「MaaS」プレイヤーに当たる日本経済各所は、国内の交通・飲食・観光経済の回復とともに(今はこちらの方が急務と言いう声も聞こえて来そうだが)、その原点に当たる環境負荷の低減と移動問題の解決との視点を欠いてはならない。緊急事態宣言の解除後、各地で様々なMaaS実証実験が行われている。これに伴い実験の主催・運営者は「持続可能性」の課題に直面する筈だ。小売りに至るまで「MaaS関連業界」が、根っこである環境・移動問題に本気で取組めるよう、国には、あらかじめ設定した動線(目標)や補助金などを整理、各地で行われる事業を連携・体系化し、必要とされる情報を流通させ、事業者がまとまることでコストメリットを生み出す仕組みづくりなどの部分で「支援」を仰ぎたい。抜き差しならない足元の移動問題の解決、経済回復とともに、環境保護に対する責務もきっちり果たすのが、大人というものではないか?と思う今日この頃。

京王電鉄、青梅で観光型MaaS実験 他

11月9日 東京都と東京観光財団、京王電鉄㈱では11/9(火)~11/29(月)の間、東京都青梅市で「青梅MaaS」(西多摩地域観光MaaS実証実験)を始めた。観光客向けに交通機関などに関する情報提供から、予約、決済などを行うことにより、青梅市域の回遊性の向上や移動や、飲食・宿泊の利便性向上を図る。東京駅から青梅駅までは、青梅特快がつかまれば75分弱、快速でも約80分と都心から至近距離にある観光地と言えよう。専用のWebサイト(https://tama-go.jp/nishitama/)から、アプリをダウンロード、会員登録後にデジタルチケットの購入が出来るようになる(専用Webサイトから、https://tama-go.jpに遷移して購入)。今回用意されているチケットは、御岳山ケーブルカー往復乗車券(大人1,130円/子供570円)*大人は中学生以上、子供は小学生。青梅周遊パス(バス1日乗車券:大人700円/子供350円)現地での宿泊する方に便利な青梅周遊パスプラス(前述のバス会社のバス2日券+御岳山ケーブルカー往復乗車券:大人2,500円/子供1,250円)だ。*周遊パスは西東京バス、都営バス、西武バスの青梅市内利用に限る、デマンド交通付き。デマンド交通の無料クーポンは、駅やバス停から離れた観光スポットを目指す方に便利だ。また、青梅グルメチケットは市内の飲食店(13店舗)が用意するお得なオリジナルメニューを楽しむことが出来る。チケットは500円単位で販売され(~3,000円まで)、各店のメニューに応じて利用する。対象施設に期間中なら何度でも入場・入館できる!青梅ミュージアムパスは、大人1,000円、子供500円で、スタンプラリーを実施。各ミュージアムに足を運ぶほど「おトク」になる仕組みだ。対象は、小説家吉川英治(よしかわ えいじ)記念館や青梅鉄道公園、日本画家の川合玉堂(ぎょくどう)の玉堂美術館など9施設。青梅市にはこの他、明治の初めに海外から「ジャパンブルー」と呼ばれた、藍染めの体験ができる「壺草苑」(こそうえん)や、かつての青梅織物工業協働組合の夜具地の倉庫として使われた石倉を全面改修した「ダイニング&ギャラリー繭蔵」など、大人の感性をくすぐる「青梅」が体験ができるスポットもある。市内には、澤乃井で有名な「小澤酒造」、クラフトビール店「青梅麦酒」など、「のんべ」には興味深いスポットも。無粋ですので、ここでは敢えて行き方のご紹介はしない(笑)。デマンド交通の無料クーポンやアプリの旅行プランニング機能やなどをうまく使いこなし、この週末にでも青梅の「宝」を掘り出しに足を運んで見てはいかがでしょう。

観光旅行の移動を円滑に…電脳交通のタクシー配車システムを活用 山梨県 他

11月8日 山梨県の甲府市、山梨市、笛吹市、甲州市において「やまなし観光MaaS」が始まった。今年、令和3年は武田信玄公の生誕500年に当たる。やまなし観光MaaS推進協議会は令和3年2月18日に、事務局をJTBが担い、ナビタイムジャパン、パナソニック、山梨県、やまなし観光推進機構、各市町村、観光協会、MaaSプラットフォーム事業者、一次交通事業者、二次交通団体、観光事業者団体などが参画する。「やまなし観光MaaSの整備について」(令和3年3月29日)を拝見すると、同整備事業はMaaSの特徴を取り込みつつ、交通機関や観光施設における分散型観光等の新たな観光スタイルへの対応、具体的には「一次交通」と「二次交通」の連携や観光地におけるオリジナル性の高い移動サービスの提供や、個別の観光客にあった情報提供などを行うことにより、観光客の滞在時間の長期化や観光消費額の拡大により観光産業の発展を図る。観光MaaSの予算限度額(企画内容の規模を示す金額)は、約2億5千万円(消費税及び地方消費税含む)、運用開始は令和4年4月を予定している。タクシーの配車システムは「電脳交通」が担当する。システムの提供を通じ、鉄道などの一次交通と、現地で移動する二次交通を円滑に結び、利用者の利便性向上を図ると同時に、現地タクシー事業者の運行管理をサポートする。山梨県下の鉄道ネットワークはJR東日本(中央線、小海線)、JR東海(身延線)、富士急行(富士急行線)などがある。これと比較して中央自動車道や中部横断自動車道、東富士五湖道路、富士スバルラインなどの道路インフラと、山梨交通や富士急グループなどの高速バスや路線バス網があるが、バス利用者は思いの外、少ない傾向があるようだ。しかし、県内には富士山や、昇仙峡、忍野八海、富士五湖、青木ヶ原、八ヶ岳、南アルプスなど豊かな自然や、甲斐善光寺や躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)などの寺社や史跡、石和温泉、富士急ハイランド等、他県の観光課の垂涎の的とも言える「超」の付く有名観光資産がひしめき、食の領域では「フルーツ王国」「ワイン県」の王座はゆるぎない。今回の「やまなし観光MaaS」は、観光客の集中する富士山麓から離れ、「甲府・峡東地域」に目を向けている。山梨市、笛吹市、甲州などの景勝地やワイナリーを含む甲府盆地を「SHINGEN LAND(シンゲンランド)」と名付け、11月に旬を迎える観光スポットをテーマパークに見立てた上で各観光地同士をつなぎ、実証実験用のバスやAI乗合タクシーなどを運行し、観光客に広域の周遊を促す試みだ。観光情報の提供、経路検索や決済などは、専用ホームページ(https://land-yamanashi.com)内でまとめて提供する。実施日は11月の週末と祝日となる、11/3(祝)、6(土)、7(日)、13(土)、14(日)、20(土)、21(日)、23(祝)、27(土)、28(日)。*祝日はAI乗合タクシーが利用できず、11/3は「PiiMo(ピーモ)」は利用できないのでご注意下さい。電子チケットは「シンゲンランド(https://land-yamanashi.com)」で購入することが出来る。同ページの「マイカーなしで、山梨を楽しもう!」「1日2,000円で、甲府盆地をめぐり放題」(バス乗車券/「シンゲンンパス」/*施設等の入場料は別途)などの謳い文句にも山梨県の観光MaaSへの意気込みが伝わってくる。専用Webサイトでは利用者自身が巡りたいモデルコースを作ることもできる。「シンゲンパス」は2種類。おススメは、甲府盆地のワイナリーも楽しめる「シンゲンパス+ワイナリー」だ。パスの中身は対象バスのフリー1日乗車券、昇仙峡ロープウェイ往復乗車券、5種類の県立ミュージアム入場券。「+ワイナリー」は、シンゲンパス2日分に「ワイナリーエリアのAI乗合タクシー乗車券」が加わる。11月第2~第4週の土日は「ワインツーリズムやまなし」が開催され、産地めぐりも楽しめる。首都圏からお越しの方は、新宿駅を7時に出る「あずさ1号」に乗れば、8:30前に甲府駅に到着できる(到達時間は列車により多少前後するが、新宿駅~甲府駅間は特急でおよそ80分~110分程度、運賃は2,310円、指定席利用の場合は+1,580円)、週末の早朝、甲州街道をくだり笹子峠を越えれば、盛秋の甲府盆地が皆様をお待ちしている筈だ。